トップへ

SF開幕戦は山本尚貴が独走でポール・トゥ・ウイン。バンドーン3位表彰台

2016年04月24日 17:31  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2016年スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 山本尚貴(TEAM 無限)
全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の決勝レースが24日、鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした山本尚貴(TEAM 無限)が一度もトップを譲らずにポール・トゥ・ウィンを飾った。



 気温24度、路面温度34度。午前中よりは上がったものの、曇り空の影響で少し肌寒さも感じるようなコンディションの中、今シーズン最初の決勝がスタートした。ホールショットを奪ったのはポールポジションの山本。2番手の国本雄資(P.MU/CERUMO·INGING)も順当なスタートを決めるが、その後ろで3番手スタートの関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は失速し、ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)にかわされてしまう。関口はさらにタート手順違反の裁定が下り、10秒のピットストップペナルティを科されることに。7周目にこのペナルティを消化、順位を落とすことになった。

 序盤は上位陣に順位変動なく周回数が重ねられていくが、コンスタントに1分41秒台のタイムを並べる山本が、じわり、じわりと国本以下を引き離していく。その後方では、野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)による7番手争いが激しさを増していた。野尻はこの後29周目にピットインするまで、ロッテラーの猛攻を受けることになる。

 10周目を過ぎると、予選で下位に沈んだドライバーたちが動き始めた。16番手スタートのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が12周目にピットイン。ここでタイヤ交換も済ませて約15秒の作業時間でコースに復帰すると、順調に2番手以降を引き離している山本よりも速いペースで周回を重ね始めた。オリベイラの目下のターゲットは、ピット作業前に争っていた石浦宏明(P.MU/CERUMO·INGING)。石浦も、悪くないペースを保ってはいたものの、オリベイラのタイムの方が勝っている。さらに、石浦よりも前のポジションにいた小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)らがピット作業に入る際に逆転する、いわゆるアンダーカットに成功。大きくポジションをアップしていた。

 上位3台は、レースが30周を過ぎたあたりでピット作業に入る。トップの山本と3番手のバンドーンは、31周目にピットイン。どちらも給油作業のみでコースに復帰した。2台の動きを見た国本は翌周にピットに入り、こちらもタイヤ交換なしでコースに復帰したが、順位に変動はなく、トップ山本、2番手国本、3番手バンドーンのままレースは終盤に入っていった。

 不動の上位3台の後方では、激しいポジション争いが各所で起こっていた。まずは、レース前半でロッテラーの猛攻を防ぎ切った野尻。29周目にピット作業を済ませると、オリベイラの前でコースに復帰したが、そのオリベイラをかわしたベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)の猛追を受けることに。野尻vsバゲットの戦いの後ろでは、オリベイラ対石浦も激しい10番手争いを展開していた。オーバーテイクシステムを駆使しながら、4台が接近戦になる。最後までシステムを残していた石浦が終盤にオリベイラを追い立てるが、要所をブロックしたオリベイラがこれを防ぎ切り、10番手を守り切ってチェッカーを受けている。野尻とバゲットは、40周目のシケインで交錯すると、1コーナーで順位が逆転。バゲットはシーズン初戦で貴重なポイント獲得に成功した。

 後方の激しいバトルを尻目に、山本は最終ラップまで快走。最終的に国本に10秒以上の差をつけて、シーズン初戦をポール・トゥ・ウィンで飾った。2位は安定したペースで走り切った国本が久々の表彰台を獲得。バンドーンも、日本での初レースで速さと順応性を見せ、3位でレースをフィニッシュすることになった。



優勝した山本は「浮き沈みが激しい3日間でしたけど、悩みがないレースなんて絶対ないと思いますし、悩んでいるというよりもとにかく勝ちたかったし、なにがなんでも一番最初にゴールしたいっていう思いだけだったので、それが実ったことがすごく嬉しいです」と喜びを語った。

 なお、可夢偉は、ピットアウト後に右リヤタイヤが外れるアクシデントで大きく後退、10秒のペナルティストップを受けた可夢偉は16位でレースを終えている。