開業2周年を迎えた北陸新幹線。金沢には多くの観光客が訪れているが、石川県観光大使も務める俳優の篠井英介さんに、金沢を楽しむポイントを聞いた。
「定番ですけど、兼六園が一番。もともと金沢城の庭園にあたるところなんですが、昔、城跡は金沢大学だったんです。でも郊外に移転したので、近年、金沢城公園として整備されました。復元された櫓や長屋などは見ごたえありますよ」
見どころはたくさんあるが、中でもオススメは玉泉院丸庭園。
「公園の一角に新しく作られたこぢんまりとしたお庭です。兼六園の壮大で豪快な感じとは異なり、優美で女性的。玉泉庵では、そんなお庭を眺めながらお抹茶がいただけて、すごく雰囲気がいいです」
金沢の良さはコンパクトなところだと語る。
「金沢は小さな街なので、タクシーなら1~2メーターでどこでも行けちゃう。歩くのがお嫌じゃない方は、地図を片手にプラプラと街を楽しむのがオススメ。若い方ならレンタサイクルでもいいですし」
北陸といえば、やっぱり海鮮!
「お魚ならブリやカニ、エビという意味では冬がいいんですけど、今人気ののどぐろは年中あります。太平洋側と日本海側のお魚の違いを楽しんでもらいたいですね」
お寿司は素材がいいので、回転ずしでも十分だとか。他にもおススメのグルメは?
「治部煮は加賀料理の代表格で、鴨肉、お野菜、すだれ麩などのちょっとした炊き合わせ。割烹や小料理屋で出てきます。ちょっと濃い味つけでおいしいですよ。金沢は海の幸も豊富だし、“加賀野菜”があるほど野菜も豊富。素材のよさを壊さないのが加賀料理の特徴だと思いますね。そのまんまで十分おいしいので」
またお茶の文化が盛んな金沢には、山のようにお菓子屋さんがあるとか。
「『圓八』のあんころ餅はとても素朴。餡はサラリとしています。『中田屋』のきんつばもすごく有名。落雁なら『諸江屋』かな。生麩も、ぜひ召し上がってもらいたいです。
加賀棒茶はいわゆるほうじ茶なんですが、地元の者は当たり前のものとして飲んでいるんですが、ほかの地域の方は“なんておいしくて香ばしいほうじ茶なんだろう!”と思われるようです。よく“お土産に買ってきて”と言われますから」
北陸新幹線の開通は、本当に便利だと語る。
「飛行機だと小松空港から金沢中心部まで車で40~50分かかっていたんですが、今や東京駅からポーンと飛び乗れば、ど真ん中に到着しますから。みなさんにもぜひ、金沢を堪能してもらいたいですね」
<篠井さんに聞いた金沢オススメスポット>
■兼六園
「江戸時代を代表する池泉回遊式庭園。ご存じのとおり、日本三名園のひとつです。壮大で豪快。季節ごとにいろんな楽しみ方ができます」
■ひがし茶屋街
「京都の祇園のような花街の規模に比べると、こぢんまりしていますが、とても雰囲気があります。時代劇のセットに入り込んだような感じ」
■金沢21世紀美術館
「兼六園のお膝元にあるので、歩いていけます。古風で優雅な庭園から、いきなりバーンと現代美術に変わるコントラストがとてもカッコいい」
■近江町市場
「京都の錦市場や大阪の黒門市場と同じくアーケードになっているので歩きやすいし、雨の日でも見やすい。何でもそろいます」
■鈴木大拙館
「鈴木大拙は、日本の禅文化を海外に広く知らしめた仏教学者。外国の方にとても人気だそうです。すごく哲学的な会館」
■途中下車のススメ
「静かな街を感じるなら富山。白エビやホタルイカなどが有名。ひょっとしたらお魚は金沢より安いかも?」(篠井さん)。
「GWの飯山は一面、菜の花。『朧月夜』の舞台なんです。野沢温泉への直行バスも出ています」(旅行ジャーナリストの村田和子さん)