23日、スーパーフォーミュラ開幕戦が行われている鈴鹿サーキットで、シリーズ恒例のサタデーミーティングが開かれ、先日アナウンスされた株式会社日本レースプロモーション(JRP)の社長交代に伴うふたりの会見が行われた。
今月18日に行われたJRPの株主総会で、白井裕代表取締役社長の任期満了による退任を受け、新たな社長に倉下明氏が就任することが決まった。白井氏は退任後も、JRPの技術顧問として引き続きスーパーフォーミュラに携わる。
冒頭で挨拶した白井氏は、JRP社長に就任した2010年からの6年間を振り返り、就任当時の全日本選手権フォーミュラ・ニッポンを名実ともに日本最高峰のレースにすることが最大の課題だったと述べた。
「シリーズを発展させるためには海外展開に活路を見出す方向がやはり必要ではないかと考え、それには高性能なレース車両を投入して世界に通用する、魅力あるレースを構築し、内外にアピールすることが統括団体としてまずやるべきことでした」と、2014年に導入したSF14に言及。鈴鹿でのコースレコードやコーナーリングスピードにおけるF1を凌ぐ速さという評価を挙げた。
白井氏は、アジア展開等でやり残したことはあるものの、次の車両の検討も始めなければならない次期にきているとコメント。さらに高性能なレース車両、質の高い競技に集中していきたいと、引き続きスーパーフォーミュラに尽力する。
一方、後任を託された倉下新社長は、シリーズのプロモーションへの自分に対する期待を感じていると語った。
フジテレビで30年近いキャリアを積んできた倉下氏は、そのうちスポーツを20年間近く担当。プロ野球、バレー、五輪、そして現在スーパーフォーミュラを中継するJ SPORTSの立ち上げに深く関わったほか、スポーツ部長時代にはF1活性化事業を通じてホンダとも仕事をしてきたという。
「スポーツ現場のことは分かっているつもり」と話す倉下氏は、「放送を中心とするプロモーションに一番がんばらなければならないと認識しています」と、自らのキャリアを生かしたプロモーションの強化に注力する意向を示した。
倉下氏は、先々の車両の選定などを含め、今後も白井氏の協力を仰ぎながら二人三脚でやっていきたいとコメント。会見の最後には、中嶋悟JRP会長をはじめ、多くのドライバーや関係者がサプライズで登場し、多大な貢献を果たした白井氏をねぎらった。