バーニー・エクレストンは、女性ドライバーをF1に出場させるために、スージー・ウォルフの「デア・トゥ・ビー・ディファレント」プログラムをあらゆる方法でサポートすると明言した。
エクレストンは、先日ある広告フォーラムで、特に女性ドライバーに関して一連の否定的な発言を述べたとして、多くの批判を浴びていた。報道によれば、彼は女性がF1に出場しても「まともには受け取られない」と発言し、また女性にはクルマを速く走らせる身体的能力がないとも示唆したという。ウォルフが2012年から15年まで、最初は開発ドライバーとして、後にはテストドライバーとしてウイリアムズに在籍し、金曜のプラクティスにも4回出走しているにもかかわらずだ。
今年初め、モータースポーツの世界への女性の進出を手助けする試みとして「デア・トゥ・ビー・ディファレント」プログラムを立ち上げたウォルフは、エクレストンと直接会って、そうした発言の真意をたずねたという。その後、彼女はツイッターやBBCのインタビューを通じて、報道されたエクレストンの発言は文脈を無視して抜き取られたものであり、彼はできることなら何でも支援するつもりでいると述べた。
英AUTOSPORTに対し、エクレストンはこう語っている。「彼女(ウォルフ)の活動に必要であれば、何でも試し、サポートするつもりでいる。はっきりさせておきたいのは、私がF1で女性ドライバーが活躍するのを見たいと思っていることだ。それは断言できる。100パーセントだ」
「私は壇上でマーティン・ソレル(フォーラムでのインタビュアー)に、『女性ドライバー2人を乗せるなら、そのチームに1億ユーロを出すというスポンサーが現れたとしたら、どうしますか?』と質問されて、私は『とても嬉しく思うだろうし、必要なら私があと2000万ユーロ出してもいい』と答えた。しかし、彼らはその部分を報道するのを忘れていたようだ。まあ、どう言われようと、私はあまり気にしないがね」
またエクレストンは、モータースポーツでの女性の活躍について、彼が長年貢献してきたという事実が見過ごされているとも主張した。
「私はF1に関わる女性たちに誰よりも多くの手助けを提供してきたし、いまでもそうだ。他の連中は、みんな口で何かを言うだけで実際には何もしない。F1に乗りたいという女性がいて、それに相応しい才能があるのなら、私は進んで『何とか彼女を乗せられないか』とチームに話を持ちかけてみるだろう」
その一方で、エクレストンは、男女を問わず今日のF1でシートを確保するには才能だけでは足りず、しばしば巨額の経済的支援が必要とされるとも語っている。F1で活躍できそうな特定の女性ドライバーはいるかとの質問に対し、彼はこう答えた。「現時点で思い当たる人はいない。スージー(ウォルフ)のように、まずはテストやプラクティスだけであっても、F1をドライブするところまで行かないとね。それを見せてもらえば、ある程度の見当はつく」
「みんながその女性のドライビングを見て、何らかの印象を得るだろう。そして、チームが彼女ならこの仕事ができると判断し、ぜひチームに加えたい人物だと判断すれば、おそらく向こうから連絡してくるはずだ。ただ、女性ドライバーにかぎらず、すべてのドライバーにとって最大の問題は資金集めであり、才能さえあればF1に乗れるというわけではない」