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水嶋ヒロ、小澤征悦が米国ドラマに進出ーー現地での受け止め方は?

2016年04月23日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『GIRLS/ガールズ5』に出演する水嶋ヒロ (c)2016 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

 言葉の壁を乗り越え、海外へ活動の道を求める俳優たち。アメリカの映画やドラマにおける日本人男性役を演じられる俳優と言えば渡辺謙や真田広之といった『ラスト・サムライ』組か、日系人のマシ・オカくらいしかいなかった。ところが最近、2人の日本人俳優が彗星のようにアメドラ界にデビューした。


参考:水嶋ヒロは世界で活躍できるか? 海外ドラマ『GIRLS/ガールズ』起用から考察


 アメリカ時間4月6日、小澤征悦がゲスト出演した『クリミナル・マインド:ビヨンド・ボーダーズ』第4話がオンエアされた。今作はアメリカの長寿番組『クリミナル・マインド FBI行動分析課』のスピンオフ作品で、ゲイリー・シニーズ演じるFBI捜査官が海外で事件に巻き込まれた米国人を救う物語。米4大ネットワークのCBSで放送されており、流暢な英語で日本側の刑事役を演じた小澤は、見事全米デビューを果たしたと言っていい。小澤はすでにハリウッド映画「The Forest(原題)」にも出演しており、今後も日米両国に活動の場を求めていくという。


 そして、アメドラ日本人枠に意外なダークホースが現れた。『KAGEROU』上梓以降、自らプロデュースを手掛けた『黒執事』以外目立った露出がなかった水嶋ヒロである。ブルックリンに住む20代女性4人の恋とライフスタイルをリアルに描いた『GIRLS/ガールズ』のシーズン5のなかの2エピソードに出演している。このドラマは、『セックス・アンド・ザ・シティ』や『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』など大人向けドラマを数多く放送してきた有料チャンネルHBOが手がける人気作品で、まだ20代のレナ・ダナムが主演と製作を務めている。日本ではスターチャンネルで放送中だ。


 水嶋の役は、4人のうちの1人、ショシャンナ(ゾーシャ・マメット)が就職し日本に駐在している際の上司、ヨシ。ショシャンナが日本への想いを募らせるのと同時に恋に落ちる相手だ。もともと帰国子女で英語が堪能な水嶋は自然体の演技で英語のセリフを話し、ハローキティや原宿に夢中になるアメリカ人女子を魅了していく。水嶋はオーディションでこの役をつかんだようで、彼のインスタグラムには打ち上げの様子もアップされている。


 ドラマ内では健康ランドや猫カフェ、ラーメン屋などいまの東京を表すロケ地が多数登場する。ショシャンナを東京へ送った本社の人事担当者が原宿を訪れ、「まるでケイティ・ペリーの子宮のなかにいるみたいだわ」と評したり、カワイイものが大好きなショシャンナが「トウキョウはわたしの願望が作り上げた幻想の街なのかもって思うことがある」と語る。水嶋についても、「ワン・ダイレクションにアジア枠があったら入りそうなくらいキュート」と大絶賛。日本が世界に誇るカワイイ文化のアイコンとして、ハローキティと並び水嶋ヒロもカウントされてしまった。


 小澤征悦が正面からアメドラの扉を叩いたのとは違い、“日本のカワイイ代表”としてアメリカ輸出された水嶋ヒロ。ネットでの評判も上々で、本人さえ望めば今後アメリカ進出の道も開けるのではないだろうか。クール・ジャパンの旗手として自らがジャパン・カルチャーを背負って海外へ発信するのもありだろう。


 このエピソードのラストでは、歌舞伎町のようなネオン街の中を歩くショシャンナの姿に、ノルウェーのシンガー、AURORAがカバーするデヴィッド・ボウイの「Life On Mars?」が流れる。


 水嶋ヒロも猫カフェも、アメリカ人の目には、火星のように遠いところに存在するキラキラしたもののように映ったのかもしれない。(小川詩子)