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SF鈴鹿:野尻、トップタイムにも笑顔なし「まだベストな状態ではない」

2016年04月23日 01:41  AUTOSPORT web

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2016年スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 金曜専有走行でトップにつけた野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2016年のスーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿。金曜日の専有走行は野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムを記録した。

 ベテラン、新人を含め、今年も有力ドライバーが多数参戦し、例年以上に激しいポールポジション争いが予想される今年のスーパーフォーミュラ。それゆえ、2度の合同テストを経て行われた専有走行で、誰がトップに躍り出るかに注目が集まった。

 開幕戦鈴鹿では、競技期間中を通して使用できるドライタイヤは新品タイヤが4セット、シーズン前テストで使用した“持ち越し”タイヤが2セットの計6セットまでという制限が設けられている。今回の金曜専有走行では、このうち2セットの“持ち越し”タイヤのみの使用が許可されている。

 そのため、セッション序盤に昨年王者の石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が1分39秒前半をマークして以降、目立ったタイム更新は見られなかった。そんななか、残り5分を切ったタイミングで、野尻が一気にタイムを更新。この日唯一の1分38秒台となる1分38秒492をマークした。

 しかしセッション後、野尻はまったく笑顔を見せず、マシンの状態がベストなものではないと明かし、「順調にテストをこなしましたけど、まだ本気を出していないところも多いと思うので、なんとも言えないです」と語った。

「1時間を有効に使うべく、大幅にセットアップをふってきているチームもあったと思います。だから今日の状態がベストではないというのは明らか。たまたま最後にタイムが出てトップタイムだっただけという感じです」

 ただ、野尻は課題がまだ残っているとしながらも、岡山国際サーキットの合同テストから手応えは感じている様子。

「岡山から新しいことをやって、いろいろ確認できました。それでも、まだ100点という状態ではないので、チームも満足していないです。感触としてはそんなに悪くはありませんでしたが、正直(予選で)トップ3に入れるかは微妙なところですし、周りも今日のような順位で終わるはずのないドライバーばかりなので、まだまだ気は抜けません。誰が速いかは明日になってみないと分からないですね」

 淡々とした口調でこう語った野尻は、その後、エンジニアたちと明日に向けたミーティングに向かっていった。

 野尻の語る通り、各陣営ともまだ手探り状態のところも多く、また明日は路面コンディションに大きな変化も予想され、明日朝のフリー走行を終えるまでは全体の勢力図は見えそうにない。
 開幕戦の予選は、誰も予想がつかないタイムアタックバトルが展開されそうだ。