アメリカのドラマ『コールドケース』の日本版が7月からWOWOWで放送されることがわかった。
『コールドケース』は2003年から2010年まで、全7シーズンにわたってアメリカのCBSで放送されていた刑事ドラマ。フィラデルフィアを舞台に、捜査チームが未解決の事件を解決していく様子を描いた作品だ。事件が起きた当時のヒット曲を劇中で使用する演出も注目を集めた。
『コールドケース~真実の扉~』と題された日本版は、全10話を予定。舞台は神奈川となる。監督はドラマ『SP』シリーズの波多野貴文。脚本は『ヘヴンズ ストーリー』『64-ロクヨン- 前編/後編』の瀬々敬久をはじめ、監督作『バースデーカード』の公開を10月に控えている吉田康弘、劇団モダンスイマーズの座付作家でもある蓬莱竜太、『ハゲタカ』シリーズの林宏司が担当する。撮影監督は『シン・ゴジラ』の山田康介。撮影にはRED Digital Cinema社の最新機種WEAPONを使用するほか、過去の回想シーンではフィルムを用いる。
■波多野貴文監督のコメント
「コールドケース」のいちばんの魅力は、誰も捜査のスペシャリストではなく、特殊能力があるわけでもなく、人間味あふれる刑事たちが、事件発生当時とは異なる状況にある証人たちと真摯に向き合うことで、当時は解明不可能と思われた未解決事件の手掛かりを見つけ出し、真相にたどり着くところだと思っています。今回、日本版を演出するに当たり、それぞれの時代の登場人物のリアルな感情をライブ感のある演出で切り取っていこうと思っています。戦後、震災、バブル…日本の激動の時代を生きた人々の感情を大切にし、その時代だからこそ起きた悲しき事件を、現代の時間軸を生きる主人公たちを通して描いていきます。そしてそこには、日本の美しさの象徴でもある、四季の風を感じられる、そんなドラマにしていきたいと思っています。私は幸せなことに、最高のキャストで捜査一課チームを組むことができました。出演者たちを通し、時代時代の哀愁や余韻を視聴者の皆様に感じていただけたらと思っています。
■瀬々敬久のコメント
脚本化に当たっては、原案ドラマの「人は忘れられない何かを持っている」というテーマを大切にしたいと思いました。さらには誰も見向きもしなかった男女や親子の犯罪に関わる物語だったとしても、それは少なからず時代の空気と関係があったという視点です。原案の各事件を日本の現代史のどこに当てるかに腐心し、戦後の光と闇、高度経済成長期の悲劇、移民問題、震災、格差社会、そういった主題をドラマと結び付けました。日本版ならではのコールドケースを楽しんでいただければと思います。