WTCC世界ツーリングカー選手権はポールリカール、スロバキアリンクと開幕2戦を終えたが、シトロエン・トタルWTCCのホセ-マリア・ロペスとイバン・ミューラーは、今シーズンのサクセスバラストのレギュレーションに関する不満を語った。
今シーズン、WTCCでは各車のパフォーマンスを均衡化するサクセスバラストの上限が、昨年までの60kgまでから、80kgに引き上げられた。昨年ロペスがチャンピオンを獲得したシトロエンは、今季の開幕2戦で最大の80kgを搭載。他車種が0kgのなかでの戦いを強いられていた。
そんな状況についてミューラーは、80kgものウエイトを積むことについて、「物事には限度があるだろう。80kgはちょっとバカげている。ポールリカールでもそうだったが、レースをちゃんと終えられるかどうか不安だったんだ」と、安全性について問題があるのではないかと示唆した。
また、チームメイトのロペスは、さらに付け加えて新しい規則がシトロエンに対して不公平ではないかと語った。
「まったく同意できないね。(シトロエンの)みんなのハードワークを罰しているのと同じだよ」とロペス。
「たとえ同じく不公平だとしても、リバースグリッドはまだいいよ。でも不当にウエイトを積まされるのは、レースのレベルを下げていると思う。それにイバンの言うことも正しい。ウエイトを積むことで、ブレーキの管理やいろんなことが困難になるんだ」
「だけど、規則だから仕方ないかもね。ダンスフロアにいたら、ダンスをしなきゃいけないんだから」
一方、ライバルたちはこの意見に対して反論した。シトロエン勢のレベルが均衡化したことで、選手権のコンペティションレベルが上がっているという。
「60kgから80kgになったことで、安全性が変わる!? たいして変わらないよ。もちろんアクシデントがあったとき、より慣性が働くだろう。でも60kgがOKなら、80kgは劇的な違いじゃない」というのは、ホンダのチーム代表であるアレッサンドロ・マリアーニ。
また、ラーダスポーツ・ロスネフチのヒューゴ・バレンテも「80kgについて語られているのを聞くけど、シトロエンにとってはわずか20kgしか違わないだろう」と語る。
「去年、彼らは24レース中21レースで勝ったんだ。いい加減に僕たちにもチャンスをくれって言いたいよ! もちろん、クルマを良くするためにハードに働いた人たちが勝利を獲得するのに相応しいとは思うよ。でも、関係者みんなでファンのためにエキサイティングなレースをすることが大事だ。それに安全性の懸念も、僕は問題ないと思うよ」