NASCAR第8戦ブリストル 優勝したカール・エドワーズ(トヨタ・カムリ) 2016年4月18日
トヨタ自動車(株)モータースポーツマーケティング部
カール・エドワーズがポール・トゥ・ウィンで今季初勝利!
トヨタ勢3人目の“チェイス”入りを決める
「世界最速のハーフマイル」ブリストルで行われたスプリント・カップ・シリーズでは、上位を争った“トヨタ・カムリ”勢が次々にタイヤトラブルに見舞われるなか、ポールポジションから首位を快走したカール・エドワーズが今季初勝利。トヨタ勢で3人目の“チェイス”入りをほぼ確実なものとした。エクスフィニティ・シリーズでは残り3周での大逆転でルーキーのエリック・ジョーンズが今季初勝利。こちらも今季から採用される“チェイス”入りを決めた。トヨタはこの週末、両レースポール・トゥ・ウィンの完全制覇を果たした。
4月17日(日)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第8戦「Food City 500」が開催された。ブリストルは1周0.533マイル(約860m)と、NASCARが行われるコースでは2番目の短さながら、高いバンク角を持ち、1周のラップタイムは約15秒。「世界最速のハーフマイル」と呼ばれる。50年以上の歴史を持つブリストルでは、春と夏の2回カップ戦が行われるが、トヨタはこれまでに7勝。カイル・ブッシュが4勝、マット・ケンゼスが2勝、デニー・ハムリンが1勝を挙げている。また、カール・エドワーズもトヨタ移籍以前に3勝を挙げており、目下2連勝中と好調な“トヨタ・カムリ”の活躍に期待がかかった。
17日(日)午後1時20分に500周(266.5マイル:約430km)で競われる決勝レースがスタート。序盤は2戦連続ポールポジションからスタートしたエドワーズが首位を守ったが、その後はケンゼスと順位を入れ替えながらの激しい首位争いとなった。序盤から“トヨタ・カムリ”勢が上位を争う展開となったが、この日はタイヤトラブルが多発。カイル・ブッシュは52周目に右前タイヤのパンクにより壁にヒット。その後追い上げポジションを取り戻すも、259周目にも再びタイヤトラブルでクラッシュし、レースを終えてしまった。
前半エドワーズと首位を争ったケンゼスも187種目に壁にヒット。修復し、300周目過ぎにはトップ5まで復帰したが、323周目に再度タイヤのパンクに見舞われ、クラッシュ。ガレージでの修復を余儀なくされた。ハムリンも接触でタイヤトラブルに見舞われるなど、中盤、“トヨタ・カムリ”勢が次々にタイヤトラブルで脱落するなか、エドワーズは孤軍奮闘。首位を快走した。
終盤には、残り15周ほどで2度にわたりイエローコーションが出され、緊張の再スタートとなったが、エドワーズはどちらも確実に決め、トップでチェッカー。今季初勝利を挙げ、フィニッシュ後、自身恒例となった車両からの宙返りを披露した。この勝利により、エドワーズはハムリン、カイル・ブッシュに続き、トヨタ勢で3人目の“チェイス”入りをほぼ確実なものとした。
この日は、エドワーズが最多の276周、ケンゼスが142周をリードし、“トヨタ・カムリ”が全500周中418周をリードする速さを見せた。トヨタはカップ・シリーズで3戦連続勝利。他のトヨタ勢が苦戦する中、参戦2年目の24歳、マット・ディベネデットがキャリア最高位となる6位に入り、自身のキャリア初、チームにとっても2度目となるトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第9戦は4月24日(日)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー
カール・エドワーズ
「さまざまなことが起きたレースだった。その時その時に速いドライバーが入れ替わっていった。チームメイトが次々にタイヤトラブルに見舞われ、心配だったが、何らかの理由で我々はトラブルに見舞われなかった。素晴らしい仕事をしてくれたチームのおかげだ。最後はカート(ブッシュ:シボレー)とのドラッグレースだった。彼は強く、素晴らしいバトルだった。“チェイス”入りを決められたので、これからはレースを楽しむことが出来る。(勝利の宙返りは)歳を取ったこともあって正直ちょっと不安だったが、応援してくれたファンの前で決められて嬉しい」
<チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ>
“チェイス”と略して称されることが多い。NASCARスプリント・カップ・シリーズの全36戦のうち、終盤の10戦でタイトルを競うプレーオフシステム。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバーと、未勝利でランキング上位の計16名が“チェイス”に進出する。“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの3ラウンドを戦い、各ラウンドごとにランキング下位4名が脱落。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。理論上は16名以上の勝者が出る可能性はあるが、毎年複数戦勝利者が何名も出て、勝利者数は16名に満たないため、1戦でも勝利を挙げれば“チェイス”入りはほぼ確定となる。トヨタは昨年参戦以来最多の5名が“チェイス”進出を決め、最終戦で勝利を飾ったカイル・ブッシュがトヨタに初のシリーズチャンピオンをもたらした。