マシンは改められたが、一昨年はポールポジションを、昨年は優勝を飾っている岡山国際サーキットは、嵯峨選手と中山選手にとって得意とするコースのひとつだ。2本のストレートを13のコーナーでつなぐテクニカルレイアウトを、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」が颯爽と駆け抜けることが大いに期待された。
公式練習 4月9日(土)9:00~10:35 走り始めとなるのは、土曜日早朝の公式練習。GT300クラス全車が揃い、全力で走るのは今年初めての機会であり、まずはそれぞれのポテンシャルがどのレベルにあるのか、見極められることとなった。最初に「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」のシートにおさまったのは嵯峨選手。開始からしばらくはピットで待機し、コンディションが整ったのを見計らってコースに飛び込んでいく。ショート/ロングランを共に行い、ピットに戻るたびセットを変更。予定どおりのメニューがこなされていく。
公式予選 Q1 14:50~15:05 公式練習時はサーキット上空を雲が覆っていたが、予選が始まる頃には強い日差しも降り注ぐようになる。予選Q1を担当したのは中山選手。ピットレーンオープンと同時に「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」を始動させ、まずは2周をウォームアップに充てる。コンディションが整ったのを確認して、いよいよアタックを開始。まずは1分26秒991をマークして、そのままタイムを縮めていくことが期待されたものの、2周連続でクリアラップが取れず、やむなくピットに戻ることとなったが、5番手につけて難なくQ1を突破。インフォーメイションをしっかり嵯峨選手に伝え、さらなるポジションアップの期待を込めることとなった。
公式予選 Q2 15:35~15:47 嵯峨選手もまた、Q2開始とともにコースイン。ウォームアップに2周を充ててからアタックを開始した。いきなり1分26秒336をマークした嵯峨選手は、1周のクールダウンを挟んで再度アタック。短縮こそ果たせなかったが、26秒925を記録する。本来ならば、8番手だったのだが、ベストタイムを記録した周は4輪脱輪があり、ペナルティとしてそのタイムが削除となってしまう。幸か不幸かアタックを二度行っていたことで、最悪の事態は免れた格好だ。これにより、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は、決勝11番手、6列目のグリッドから挑むこととなった。
フリー走行は二回の赤旗中断があったものの、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」にとっては、そうリズムを狂わされるタイミングではなかった。まず嵯峨選手からの走行となり、二回目の中断前に1分28秒812をマーク。2度目の再開後、延長された5分を中山選手が走行し、29秒080をマークしたところでチェッカーフラッグが振られることとなった。このセッションは8番手に。
決勝レース(82周)14:40~ 13時30分からスタート進行が開始され、併せて行われる8分間のウォームアップでスタート担当の嵯峨選手は1分28秒377をマーク。最終確認を済ませて、いったんピットに戻った後、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は大観衆の見守るスターティンググリッドに並べられることとなった。
そのため予定をやや早め、30周目にピットイン。序盤に嵯峨選手が続いていた車両の背後で中山選手も戻ったため、タイミングとしては悪くなかったのは明らかだ。しかし、迫ってくるFIA-GT3勢はストレートで「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」をいとも容易くかわしていき、全車がドライバー交代を済ませた時には11番手を走行していた。せめてあと一台を、と中山選手は懸命にコースを攻め立てるも、逆に70周目、一台の先行を許してしまう。その後も抗うことができず、12位でのフィニッシュに留まってしまった。