蜷川幸雄演出の舞台『ビニールの城』が、8月に東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演される。
唐十郎の戯曲である『ビニールの城』は、1980年代に劇団第七病棟によって上演された作品。生身の人間とは関わらず、人形しか愛せない腹話術師の朝顔、狂気を帯びた激しさで朝顔を求める女・モモ、モモへの無償の愛から腹話術の人形・夕顔に自身を投影させていく男・夕一が織り成す物語が描かれる。
8か月前に別れた相棒の人形・夕顔を探し続ける朝顔を演じるのは森田剛。人形を忘れて自分の想いを受け止めて欲しいと朝顔に迫るモモ役を宮沢りえ、人形と自身を混同する夕一役を荒川良々が演じる。さらに江口のりこ、石井愃一、金守珍、六平直政らがキャストに名を連ねている。チケットの発売は6月上旬を予定。
■蜷川幸雄のコメント
ぼくは唐さんの戯曲にさらわれた人間です。この「ビニールの城」も、豊かな詩的言語や時空を自在に超えるドラマツルギーに溢れている。
そして、ぼくにとっての唐さんの戯曲の凄さ、下々の人間たちの寂しく美しい姿も。
久々に一緒に仕事ができる森田くん、充実期を迎えますます輝くりえさん、その存在に注目をしていた荒川さんたち、才能豊かな俳優たちと共に、観客を遠くに連れ去りたいと思います。
■森田剛のコメント
今回の舞台出演が決まり、また蜷川さんとご一緒にお仕事ができることをとても幸せに感じています。蜷川さん演出のもと、素晴らしいキャストの皆さんと一緒に、この「ビニールの城」という舞台に全力で挑みたいと思います。
■宮沢りえのコメント
唐戯曲に飛び込むという事は、私がいつも鍵をかけ、誰にも秘密にしている心の、あそこの扉をこじ開けることです。
それは、最高の喜びで、この上ない恐怖で、無限の価値があるのです。
ですから、惜しみなく挑もうと思います。
■荒川良々のコメント
何から何まで初めての事である。
脚本「唐十郎」 演出「蜷川幸雄」
共演者に「森田剛」「宮沢りえ」
......0か?100か!?やるか?やられるか!?
「ビニールの城」乞うご期待!