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就活生による「性格適性検査」への対策はムダ! 素直に答えなければ、かえって誤解された人物像が伝わってしまう

2016年04月18日 10:40  キャリコネニュース

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就活生の中には、SPIをはじめとする「性格適性検査」をすでに受けた人もいるのではないでしょうか。就活ナビサイトからのエントリーと同時に、企業から求められることが多く、今やすっかり選考の定番となっています。

検査への対策本も多数出版されていますし、対策を紹介しているwebサイトも見受けられます。しかし採用担当者の視点からすると、何らかの方法で「対策を学ぶこと」は意外なことに、結果として裏目に出ることが多いと言わざるを得ません。(文:河合浩司)

虚偽の程度を示す「ライ・スケール」が反応

検査料は一人数千円のものが一般的ですが、受講人数が多ければ検査料だけで数十万円を超える費用になってきます。企業がそれだけのお金を投入するだけの価値があると感じているのです。効果がなければ、とっくに見向きもされていないでしょう。

選考で使われる適性検査は、専門家たちが時間と手間を投入して作り上げてきたものです。だからこそ企業は受験料を支払っているのであり、素人の就活生がちょっと知識を手に入れたからといって太刀打ちできるようなものではありません。

すぐに手に入る程度の対策テクニックに対しては、検査の作り手も当然のように対策を講じています。その一つが、虚偽の程度を示す「ライ・スケール」や信頼係数、誠実度などの測定です。一見、何気ないように見える選択肢によって、

「ウソを吐いているかどうか?」
「警戒をしながら答えているかどうか?」

などを数値化する設問が用意されています。分かりやすいものでは「今まで一度も約束を破ったことはない」といったものです(もしも一度も約束を破ったことのない聖人君子が本当に存在したら、SPIで弾かれてしまうおそれがあります)。

「感情が不安定で暴発する気質がある」などと判定されることも

他にも「統計的にまず選ばれない選択肢をいくつ選んだか」に着目するものもあるそうです。例えば「自分には他人への思いやりがない」という設問に「強くそう思う」とはっきり答える人は、極めて稀でしょう。

他にもこの系統の設問がいくつかあり、該当する選択肢を複数選ぶにつれて「設問の意味がわからなかったか、本音で答えていないか」といった判別をされるというものです。こういった設問の技術は、専門家でなければ見抜くことはできません。

下手に小細工をすると、この手の設問に引っかかりかねません。実際に私は対策本を片手に対策をしながら適性検査を試してみたことがありますが、結果は散々でした。

「思い込みが激しく、虚言癖の傾向も」
「感情が不安定で暴発する気質がある」

といった検査結果が記載されていました。対策本が意図した「行動力がある人物像」とは全く違ったものになっていたのです。

採用に本気の企業なら、検査だけで合否を決めることはない

この性格適性検査に対して、就活生のみなさんにできる唯一の対策は「素直に本音で答えること」です。なぜなら、下手に小細工をするほどあなた本人の実像から遠ざかり、おかしな情報が企業に伝わってしまうからです。

それに、大人数が受けに来る会社がやむをえず足切りに使うことはありますが、人材採用に本気の企業であればあるほど、適性検査だけで合否を決めることはありません。そんな手抜き企業から不合格通知がきたとしても、「縁がなくてよかった」と思っておいていいでしょう。

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