FIA世界耐久選手権(WEC)の第1戦シルバーストンは17日(現地時間)、6時間の決勝レースが行われ、7号車のアウディR18が昨年に続き開幕戦を制した。
予選でポールポジションを獲得したアウディ7号車(マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ)が、ポルシェ2号車(ニール・ジャニ/ロマン・デュマ/マルク・リーブ)との終盤の争いを制し、昨年5月のスパ以来となるトップチェッカーを受けた。
アウディ7号車は、レースが残り1時間に迫ったところで、16秒のリードをもって最後のタイヤ交換を行ったが、6周後のピットストップで2本のタイヤ交換作戦にでたポルシェ2号車にその差を6秒まで縮められる。しかし、アウディ追撃に移ったニール・ジャニのポルシェは直後に右フロントタイヤのパンクに見舞われ、再度ピットイン。レース残り35分にアウディ7号車が燃料補給のピットインで再びギャップが10秒差に詰まるも、ステイアウトしたポルシェが逆に燃料不足に陥り、チェッカーの7周前にピットストップ。結局、最終的には46秒差でアウディ7号車が逃げ切ることとなった。
序盤の17周目にアウディ7号車からトップを奪ったポルシェ1号車は、マーク・ウエーバーの後を受けたブレンドン・ハートレーがリードを40秒以上に広げたが、バックマーカーを交わす際にLMGTE Amクラスのポルシェ86号車(ガルフ・レーシング)と絡んで横転するクラッシュを喫しリタイア。また、このクラッシュによるフルコースイエローの間にアウディ8号車がコース上にストップ。序盤からトラブルを抱えていた8号車は最後もハイブリッドのトラブルで戦列を去った。
一方、トップ争いを繰り広げるアウディとポルシェに引き離される展開となったトヨタは、マイク・コンウェイ/ステファン・サラザン/小林可夢偉の6号車が3位表彰台を得るも1周遅れと厳しい結果に。もう一台の5号車も中嶋一貴のドライブ中にリヤタイヤのパンクに見舞われ、ボディに大きなダメージを負ってしまい、17位に終わった。
LMP2クラスは、RGRスポーツ・バイ・モランドの43号車リジェJS P2・ニッサンがクラス優勝。LM-GTE Proは、ポールスタートのAFコルセ71号車フェラーリ488 GTE(ダビデ・リゴン/サム・バード)がクラスV、LM-GTE Amクラスは、83号車フェラーリF458イタリアを走らせるAFコルセがクラス最多の163周を走りきった。