トップへ

「まるで魚雷だ!」憤慨するベッテルと反論するクビアト、口論の一部始終

2016年04月17日 20:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ベッテルがクビアトの動きを激しく批判。お互いに遺恨を残すレースとなった。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、F1中国GP決勝、1コーナーでのキミ・ライコネンとの接触は、レッドブルのダニール・クビアトの動きが原因だったと激しく批判している。 

 1コーナーでアウトにはらんだライコネンと、インから飛び込んできたクビアトに挟まれるようなかたちで行き場を失くしたベッテルは、そのままチームメイトのライコネンと接触。自らはポジションを落とし、ライコネンはピットへと向かうことになった。

 ベッテルは、クビアトについて「血迷っている」と言い放ち、「自殺行為だ」とチームへの無線で批判。レース終了後、表彰台に上がる前の控室で、クビアトにスタートについて尋ねられ、こう言い返している。

「スタートについて聞いているのかい? もし、あのとき僕が左にマシンを寄せなかったら、3台全員がクラッシュしていただろうね。きみは、まるで魚雷のようだったよ」

 対するクビアトは「レースをしていただけ」と主張。ベッテルは「今回は運が良かっただけだ」と返している。

 結局ベッテルは最終スティントでクビアトをかわして2位、ライコネンは追い上げて5位に入った。

「残念だよ。チームメイトどうしでクラッシュしたんだからね。最後まで走り切れたのはラッキーだったけど、チームにとっては満足できる結果ではないし、申し訳ないよ」とベッテル。

 一方クビアトは、こう話している。

「スペースがあれば、そこに向けて進むしかないよ。たしかにリスクはあったし、セブ(ベッテル)の言っていることは間違っていないけど、そうしなければ表彰台は獲得できないんだ。彼も僕も表彰台を獲得したのだから問題ないだろう。今後もリスクを承知で走るつもりだ。彼も理解してくれると思う」



 以下が、テレビカメラの前で行われた両者のやりとりだ。最初にクビアトがベッテルにスタートの件について話しはじめる。

ベッテル:スタートについて聞いているのかい? もしあのとき僕が左にマシンを寄せなかったら、3台全員がクラッシュしていただろうね。

クビアト:うーん……。

ベッテル:「うーん」じゃないよ! まるで魚雷のようだったじゃないか!

クビアト:レースだから、しょうがないよ。

ベッテル:僕が、あのままラインをキープしていたら、お互いクラッシュしただろう。

クビアト:そうしなかったよね。

ベッテル:君のことを避けようとしたら左側にマシンがいて接触したんだよ。

クビアト:すべてのクルマを見ることなんてできないよ。目はふたつしかついていないんだからさ。

ベッテル:そんな走りをしていたら、いつかクラッシュするぞ。

クビアト:ボクたちは、しなかっただろ?

ベッテル:そうだよ! レースだって言うのはわかるけど、あの状況で何が起きるか、わからないのかい? 今回は運が良かったんだ。

クビアト:お互い表彰台を獲得できたから問題ないだろう。