16日に開幕した『モータースポーツジャパン フェスティバル イン お台場2016』で、スーパーGTのマシンを使用した「スーパーGTピットストップコンテスト」が開催され、初日からコンマ1秒を争う僅差の戦いとなった。
参加チームはホンダ、ニッサン、トヨタから1チームずつ編成。スーパーGTのレース中に欠かすことができないピット作業のうち、今回はタイヤ交換とドライバー交代を行い、その合計タイムを競った。合わせてピット作業で使用するスーパーGTマシンのデモランも兼ねていたため、それを一目見ようと観覧エリアには多くのファンが集まった。
まずトップバッターで計測に臨んだのはニッサンチーム。2013年モデルのMOTUL AUTECH GT-Rを使い、松田次生とロニー・クインタレッリがドライバーを担当。ピットストップには定評のあるニスモのスタッフが迅速かつ落ち着いた作業をみせ、24秒372を記録。いきなり好タイムを叩き出し、ライバルチームにプレッシャーを与えた。
続いて登場したのはホンダチーム。道上龍監督率いるドラゴ モデューロ ホンダレーシングでタイヤ交換を担当しているメカニックが登場。マシンも今季モデルのドラゴ モデューロNSX CONCEPT-GTとかなり気合いが入っていた。さらにドライバーは今回オリバー・ターベイが不参加のため、代わりに道上監督自らがマシンに乗り込み、武藤英紀とともにドライブを担当した。
先に武藤がドライブし走行エリアを数周し作業エリアへ。タイヤ交換とともに道上監督へのドライバー交代を完了。作業時間は24秒089で、わずか0.283秒差でニッサンチームに勝利。予想以上の僅差のバトルを制したとあって、マシンから降りた武藤も思わずガッツポーズをみせ、無事にNSX CONCEPT-GTで走り終えた道上監督も安堵の表情をみせた。
そして最後に登場したトヨタチームは、サードとTRDスタッフで急きょ編成したチームで挑戦。ドライバーも普段は別の車両に乗る立川祐路とアンドレア・カルダレッリが担当した。メーカー全体で結成されたチームで、事前の練習もなくぶっつけ本番で臨んだが、2チームを上回る23秒323を記録し、暫定トップだったホンダチームをコンマ7秒上回って初日の対決を制した。
急きょ結成したメンバーでの好成績だったこともあり、記録を知った立川は満面の笑みでスタッフ達と握手を交わし、カルダレッリも「素晴らしい。これはみんなで掴んだ勝利だよ」と喜んだ。
結果的に3チームの合計タイム差が約1秒以内という、予想をはるかに上回る僅差となり、ファンも最後まで釘付けになってマシンの走行やピット作業を観覧。お台場の特設会場ではなく、実際のサーキットにいるかのような緊張感に包まれた時間となった。
なお、このピットストップコンテストは17日も開催予定。今日と同じ3チームが再びピット作業で対決をする。