蒲生尚弥&黒澤治樹(LEON RACING) 2016年シーズン開幕戦で念願の初優勝!!
2016 AUTOBACS SUPER GT
Round.1 IN OKAYAMA 300km RACE
4/9(土) 公式予選14:50~
天候:晴れ 路面:ドライ 気温:24°C 路温:36°C
GT300クラスのエントリーの大半を占めるGT3車両の多くが今季より新型車両を投入しており昨年より競争が激化することが予測される。前日降った雨の心配をよそに、小春日和となった岡山国際サーキット。新型Mercedes AMG GT3を擁し、K2R&D LEON RACINGの2016年シーズンがいよいよ始まる。
午前中の公式練習はドライコンディション。事前に行われた公式テストで得たデータを基に造り込まれたLEON CVSTOS AMG GTは走り出しから快調にタイムシートを駆け上がる。JAF-GT車両やマザーシャーシとは違い、セットアップ可能箇所に多くの制限のあるGT3車両で、一つの変更に対する感度や反応を確認、チェックを行っていく。黒澤選手により叩き出されたタイムはコースレコードの1'26.330。まだ手探りの部分も多いなか、戦闘力の高さを見せることが出来たチームは、予選に向け士気が上がる。
公式予選Q1 14:50~15:05
路面状況はドライコンディション。LEON CVSTOS AMG GTの初の予選アタックは、黒澤選手に託された。ゆっくり、丁寧にタイヤを温め、27台もの車両がなだれ込むコースで、アタックのタイミングを伺う。4周目に1'27.071のベストタイムを出し6番手。その後もタイムは縮まる余裕を感じたが、電子制御に違和感を覚えた黒澤選手はピットイン。エンジニアに状況を詳しく伝え、蒲生選手へバトンを繋ぐ。結果は8番手、Q2進出を決めた。
公式予選Q2 15:35~15:47
Q2に進出した14台により、2016シーズンを象徴するかのような激しい予選が始まった。予選開始から5分経過したころ、LEON CVSTOS AMG GTは、地元岡山県出身、蒲生選手の渾身のタイムアタックによりコースレコードをさらに更新する1'25.624を記録しトップへ。会場を沸かせる。このとき2番手の#25のタイムは1'25.799。
蒲生選手はMercedes AMG GT3の高いポテンシャルを感じ、さらにアタックを続行するも、他車が絡むなどベストタイムを更新することは難しいと判断し5周目にピットイン。終了時間も近づき、このままトップを守り切れるかと思われたが、#25がラストアタックで1'25.586を記録し逆転されてしまう。その差は0.038秒。明日の決勝は2番手からのスタートとなった。
予選を終えて・決勝への意気込み
溝田監督・・・
チームとして初めてのポールポジションが見えていただけに悔しいです。明日のレースでこの悔しさを晴らしたいです。
黒澤選手・・・
走りだしから車の調子もバランスも良く、練習もトップタイムが出すことが出来ました。Q1で電気系トラブルがありましたが、Q2では解決して蒲生選手が頑張って良いタイムを出してくれました。この流れのまま勝つことにこだわって走ります。応援よろしくお願いします!
蒲生選手・・・
岡山のテストの時に良いセッティングが見つかっていたので走りだしから良かったです。Q1は車両トラブルがあったけどQ2ではトラブルが解決して1周まとめて走ることができました。明日のレースもミスなく走りきりたいです。
4/10(日)決勝14:40~
天候:曇り時々晴れ 路面:ドライ 気温:22°C 路温:26°C
朝のフリー走行は昨日に続きドライコンディション。チームは最終調整を施し、黒澤選手がコースイン。決勝に向けひとつひとつ確認作業を行う。ピット作業の確認も行い蒲生選手に交代。しかしコースインしていったところで他車によるクラッシュが発生。その影響により赤旗が出されセッション終了となってしまう。黒澤選手が記録した1'27.982がセッショントップタイムとなり、いい流れのまま決勝に挑む。
決勝14:40~
この週末、ひときわ存在感を放ったLEON CVSTOS AMG GTの快走、そして蒲生選手にとっては地元岡山でのレースともあり沢山の声援が注がれていた。300kmの決勝レース、ファーストスティントを務めるのは黒澤選手。GT500・GT300両クラス共に全車クリーンスタート。スターティンググリッド通りのオーダーでレースが進む中、GT300クラスのトップ2台のペースは別格に速い。しかも2台の間隔は常に1秒以内。黒澤選手は、前を走るトップの#25に何度も襲い掛かるが、トップも隙を見せない走りで簡単には抜けない。黒澤選手はトップに多大なプレッシャーをかけ抜けるタイミングを見計るが難しく、逆にタイムロスをしてしまう。チームは、タイムロスを最小限にするため早めのピットインを判断する。給油、蒲生選手へドライバーチェンジ、そして左側のみのタイヤ交換を敢行。
迅速な作業でLEON CVSTOS AMG GTをコースへ送り出す。そしてそれに反応したトップを走る#25が次の周にピットイン。給油、左側のみのタイヤ交換、ドライバーチェンジと同じメニューを行う。お互いがコースへ戻った時、その差は14秒。給油時間の短い#25に対してピットでの逆転は出来なかったが、アウトラップからペースが速い蒲生選手が、冷えた左タイヤと消耗した右タイヤ履く#25をアドウッドコーナー入口でパス。勢いに乗る蒲生選手は、さらにギャップを築く。終盤、後続車に追いつめられるシーンもあったが、落ち着いて対応しチェッカーを受けた時には2位とのギャップが16秒にも広がっていた。
完全にレースを支配したK2R&D LEON RACINGは、トップでチェッカーを受け、SUPER-GT参戦4年目で悲願の初優勝を手にした。
2016シーズンの幕開けで一番輝くトロフィーを得たことは、チームの歴史に刻まれる出来事だろう。
決勝を終えて
溝田監督・・・
チームとして、スタート~裏ストレートまでが勝負だと思っており、#25のストレート・スピードがが思ってたより速く抜けなかった時は正直マズイと思いました。その後、黒澤選手も離れず付いて行けたのでチャンスはあると思っていましが、追いついてもコース幅の狭い岡山では抜くのは難しいので後ろの#7のペースも確認し早めのピットインを行いました。#25も同じ左のみ交換をしましたが、右タイヤのコンディションは私達の方が良かったようで抜く事が出来ました。後は、後続のタイムを確認しながら何とかチェッカーを受ける事が出来ました。次戦の富士はHWで重くなりますが、500kmと長いレースなので今いる位置をキープ出来る様に頑張ります。
黒澤選手・・・
先ず、チームをサポートして下さっている、関係者の皆様にお礼を申し上げます。勝ちました! オーナーと共に作ったチームで、やっとここまで来れました。予選・決勝共に順調に見えているかもしれませんが、多少のトラブルがありました。予選では電気系、決勝ではシフトの問題。しかし、そんな中でもチームやスタッフが冷静に対応できた事が、勝利につながったと思います。蒲生選手も本当に速く強いドライバーです。メカもここ数週間夜遅くまで休みなくハードワークをこなしてくれた。皆の力が勝たせてくれました。ありがとうございます!チャンピオンを目指して残りのレースを戦います!
蒲生選手・・・
この週末は、全セッションで調子が良く、決勝までいい流れのまま走ることが出来ました。そんな車を用意してくれたチームの皆に感謝しています。スーパーGTでの初優勝を地元岡山で飾れたことも嬉しいです。これから厳しい戦いが続くと思われますが、着実にポイントを取りチャンピオンを目指しますので応援よろしくお願いします。