トップへ

うららかな春に煎茶の野点を楽しもう

2016年04月16日 00:02  オズモール

オズモール

写真
春や秋の気候のいい時期に、野外で自然を眺めながら、お茶を楽しむ「野点(のだて)」。これは一説には、豊臣秀吉の九州平定に同行した千利休が箱崎の松原でお茶をたてたことがその始まり、といわれているとか。

「赤い布を敷いたうえに、赤い野点傘をたててお抹茶を…というイメージが強いかもしれませんが、もっと気楽にピクニック感覚でお茶を楽しめればいいと思います」と歳時記に関する著書を出版している柳本あかねさんはいう。

お茶の種類は、煎茶やほうじ茶、紅茶など好きなものでOK。複数を用意すると、選ぶ楽しみも生まれる。このほかの持ち物は、保温機能の付いた水筒に入れたお湯と、急須と湯呑み。これらを手拭いで包んでから、お弁当袋や布のエコバックに入れて、心地よい天気の日に出かけて。

「使い捨ての紙コップや水筒の盖よりも、やはり陶器の湯呑みを使うと気分が上がります。
気軽にティーバッグでも構いませんが、茶葉を急須で入れたほうが、いれたての香りや味を楽しめます。ひと手間かける楽しみも美味しさのうちです」(同)

お茶うけになるお菓子を持っていくと、さらに楽しさもアップする。

「小ぶりの和三盆糖や金平糖なら気軽に持ち運びできます。手も汚れず食べやすいので、野点のおともにおすすめです。茶器と一緒にバッグに忍ばせておいてみるのもOK」(同)

また野点セットを用意しておけば、お弁当と一緒に会社に持っていくこともできる。

「平日、会社での外ランチにもお茶セットを持って行くと、ふだんよりも豊かな気分でお昼をいただけますよ。また、自販機でペットボトルのお茶を買うよりも経済的です。会社に着いたときに煎茶、お昼にほうじ茶、3時には紅茶など、お茶を変えると気分も変わります」(同)

自分が本当に気に入った急須と湯呑みを使うことで、自分だけの特別な時間になるとか。お気に入りのお茶道具でリフレッシュして。


写真:白井由香里


柳本あかね
日本茶カフェ「茜や」、お茶とお酒「茜夜」店主。日本茶インストラクター。きき酒師。グラフィックデザイナー。二級建築士。著書に『いちばんおいしい日本茶のいれかた』(朝日新聞出版社)、『神楽坂「茜や」の小さな暮らし』(河出書房新社)、『「茜夜」のシンプルに暮らす、小さなキッチン』(河出書房新社)がある。最新著書に『「茜や」の小さく楽しむ おうち歳時記』(河出書房新社)。