仕事をしてると、めげそうになるときもある。ふと、「別の仕事をしてみたい」と思うことだってあるはずだ。しかし、こういう上司や同僚に直訴してみても、「甘えんな」とか「会社はお前に期待してる」などの言葉を並べて、慰留しようとする。
さらには「ここで頑張れないようなら、どこに行っても同じだぞ!」と罵倒されることも。この手の言葉、非常によく聞くものだ。だけど、人間には向き不向きもある。会社にはホワイトもあればブラックもある。(文:松本ミゾレ)
会社で働いていて自分が「なんか水が合わないなあ」と思ってしまうことは珍しいことではない。別の仕事なら自分の実力が如何なく発揮出来ることだってある。
まるで呪いの言葉! 去りゆく社員を引き留めようとする井の中の蛙
ツイッターを眺めているだけでも、この手の言葉を投げかけられた人々の経験談を見ることは難しくない。先日もこんな投稿が寄せられていた。
「『ここで頑張れないならどこに行っても同じ事の繰り返しで成長しないよ』っての何度も何度も言われたけど、新しい職場はとてつもなく楽しいし、趣味の時間はつくれるし、私はハッピーな毎日を送っている。あの言葉こそ信じてはいけない呪いのワードなのだな」
このつぶやきに対して、賛同の声が多数寄せられている。
「上司に言われたことあるけど嘘やったんやな」「一つの引き留め文句みたいなものです」
「素直に『人手足りなくなるから残ってください』って頭下げろよ。そんなだから誰も彼も離れていくんだろうが」
辞めようとする人材に対して、決まり文句のように「ここで頑張れないなら~」をキメ台詞のように言う企業がかなりあるようだ。
転職には勇気が必要…だけど動かないと状況は変わらない!
ちょうど新年度がスタートしたばかりで、なかなか今の段階で転職をしたいということを上司に打ち明けるのは気が引けるものかもしれない。ただ、それはあくまでも会社の都合を重視しているから言いにくいだけ。一番に考えるべきは自分の人生だ。
自分がやりたいことを我慢してまで、辛い残業をし続けるような生活を送っても意味はない。そもそも、「ここで頑張れないなら~」という言葉を聞いて、それで決意が揺らぐ人というのはどのくらいいるのだろう。
個人的には辞めたいと意思表示した時点で、何を言われようと、辞めるという意思は固まっているのではないかと思う。上司からのこういった悪魔のフレーズは、誘惑でもなんでもない。「はいはい」と聞き流し、それでも「やっぱ辞めます」と言えばいいだけの話だ。
ブラック環境から転職しても、そうそう以前より酷いことにはならないのでは?
転職を希望する理由は人それぞれだ。年収をアップさせたい、他の仕事をやってみたい、という人がいれば、とにかくブラック企業から逃げ出したいという人もかなりの数がいるだろう。
だとしたら、転職は大いに推奨したい。薄給で長時間労働をさせて利益を出すような企業が存在すること自体が、不健全。そんな企業で働いていると、心身ともに疲弊してしまう。
前職がブラック企業なら、転職先については事前に下調べをする知恵も付いているし、よほど運が悪い限り、転職先もブラックという事態は避けられるはず。地獄のような職場から一転して、天国のような環境で働けるようになった人は実際にいる。
「ここで頑張れないならどこへ行っても同じだぞ」なんて無礼な言葉は無視して、自分の心身を最優先に考えて、新天地に活路を見出すべきではないだろうか。
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