ハースのF1マシンが「色違いのフェラーリ」だとする批判に対し、それはただの嫉妬だとロマン・グロージャンが反論している。
ハースは「自製義務のない部品リスト」のレギュレーションをフル活用してF1に参戦した初のチームであり、規定が許可する部品の全てをフェラーリから供給されている。開幕2戦でグロージャンが6位と5位を獲得し、ハースは輝かしいF1デビューを飾った。しかし、この成果はフェラーリとの提携によるものだといった懐疑的な見方もある。
ハースへの批判は嫉妬からくるものではないかと聞かれたグロージャンは「100%そうだ」と断言し、以下のように続けた。
「ふたつの見方がある。ひとつはクレア・ウイリアムズの意見で『F1に新たなチームが参入するのはとても良いこと。アメリカのチームが成功することで視聴者の幅が広がる。大きな国が関心を抱き、より多くの人がF1に参加したいと思うようになる。24~28台のマシンがグリッドに並ぶようになれば、素晴らしい』というもの。一方で、これまでに僕らの成し遂げたことをできなかった者たちが嫉妬している。そして『あれはフェラーリ製だ。あるべき姿じゃない』と言うんだ。いい加減にしてほしいよ」
2015年にグロージャンが所属していたロータスはメルセデス製エンジンを使用していたが、ハースとフェラーリとの関わりはそれよりも少なく、それぞれのマシンには大きな違いがあると言う。
「まったく異なる哲学のもとに作られている。ウイング、サイドポッド、ノーズを見れば、それがハースのマシンであることが見て取れる。確かにフェラーリからパーツの供給を受けることで、難しい部分は少なくなっている。でもそれ以外はハースのマシンだ」
ただし、部品を共有する都合上デザインコンセプトの面でフェラーリの影響は避けられず、それがハースのパフォーマンス向上につながったことは認めている。
「メカニカル的なところでは、サスペンションとギアボックスはフェラーリから供給されたものだ。つまり、その部分はフェラーリの哲学に従わなければならない。昨シーズンの彼らのマシンはタイヤに優しかった。今シーズンの僕らのマシンも、タイヤに優しい」
ハースはフェラーリのシミュレーターを使っているとはいえ、それほど多くの時間をかけられなかったとグロージャンは語っている。また5月のモナコGP以降までは再訪問の予定もないという。
「エステバン(グティエレス)が先週行ってきた。リソースが足りないので、僕は行かなかった。シミュレーションにエンジニアを送り込んで、ファクトリーでの時間を無駄にするというのが、ちょっと難しいんだ」