映画『怒り』の予告編とポスタービジュアルが公開された。
同作は、『悪人』『さよなら渓谷』『横道世之介』『平成猿蟹合戦図』などの著者として知られる吉田修一の同名小説をもとにした群像劇。「怒」という血文字を謎として残したまま未解決となった八王子の殺人事件が人々の気持ちに歪みを与えていく様を、千葉、東京、沖縄の3つの都市を舞台に描く。
ポスタービジュアルには篠山紀信が撮影したキャストの写真を使用。各都市で前歴不詳の男を演じる松山ケンイチ、綾野剛、森山未來をはじめ、渡辺謙、広瀬すず、宮崎あおい、妻夫木聡の7人が被写体となっている。篠山に撮影をオファーしたプロデューサーの川村元気は、「俳優7人」ではなく「登場人物7人」を撮影してほしいと依頼したという。
予告編では殺害現場に描かれた「怒」という血文字や、殺人事件を追う刑事役のピエール瀧と三浦貴大の姿をはじめ、疑念を抱きながら千葉、東京、沖縄で暮らす登場人物たちの姿が映し出されている。
■篠山紀信のコメント
これまで俳優を撮影することがあっても、役を引きずったままの役者をスタジオで撮影をするのは初めての経験で、面白く、贅沢な時間でした。
スタジオで撮影しているのに、どこかドキュメンタリーのようで、今まで何度も撮影している役者の見たことのない顏を撮影できたと思います。
これだけの役者が集まってくると、不思議な力が湧いてくるポスターになったと思います。
■渡辺謙のコメント
ロケ現場に向かう前、早朝の六本木のスタジオに私はいた、漁協で働く格好に長靴を履いて。
カメラは篠山紀信氏、今までも何度も撮って頂いている。6分程で終了する。
ファインダーを覗く紀信さんが「見た事無い顔だなぁ」と。嬉しい言葉を頂いた!
■川村元気のコメント
女優、アイドルから、歌舞伎、相撲、そしてジョン・レノンまで。
混沌とした世界に生きる人間たちを、最も魅力的に切り取る篠山紀信さん。
今回、日本を代表する七人の俳優達の「怒り」を撮っていただくにあたり、篠山紀信さん以外に思いつきませんでした。
この俳優達も、篠山さんなら、ということで撮影中にスタジオまで来て、役のままで撮影に応じてくれました。
果たして、見事な「七人の怒り」がそこに写し出されたと思っています。