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関口「昨年と比較して、大きな進歩のある開幕戦だった」

2016年04月12日 12:01  AUTOSPORT web

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#19 WedsSport ADVAN RC F
2016年4月11日
SUPER GT 開幕戦、レースファンを熱狂させたオーバーテイク、
会心の走りを魅せた関口雄飛は、9位入賞で緒戦を飾る。

 2016 年国内モータースポーツの幕開けとなる SUPER GT 開幕戦、「2016 AUTOBACS SUPER GT Round1OKAYAKA GT 300km RACE」は、4月9~10日に、岡山県、岡山国際サーキットで開催されました。

 長いようで短かったこのシーズンオフは、例年通りセパンでのタイヤテストや各サーキットでの合同テストが相次いでいましたが、関口雄飛はプロフェッショナルドライバーとして自らにさらに高いハードルを課し、忙しいスケジュールの隙間を縫って、トレーナーの指導による体力トレーニングやより良いレース環境づくりに出来る限り多くの時間を費やしてきました。やるべきことを完璧にこなし、心身ともに最高の状態で開幕戦を迎えることを心に誓っていたからです。

 昨年までのチームメイトであり、よき先輩の脇阪寿一選手が監督へと勇退されたことによって、LEXUS TEAM WedsSport BANDOH のエースドライバーとしての重責を担う覚悟をし、同時に、いつも自分のことを第一に考えてくれている坂東正敬監督、新たなチームメイトとなる国本雄資選手、そして多くのチームスタッフと共に、今年こそ GT500初優勝を飾りたいという、強烈なレースに賭けるモチベーションがあったからです。

 開幕の地へと移動する直前までトレーナーと共にフィジカル面での最終調整をし、シャワーを浴びたその足でインターネット番組にライブ出演。脇阪寿一さん、国本雄資選手と共に、スーパーGTの素晴らしさをファンにアピールし、飛行機で岡山入りしました。


 土曜日、朝のフリー走行は上位11台が1秒以内にひしめく大接戦となりましたが、関口雄飛は1分19秒681をマークし9番手。岡山国際サーキットはチームにとって相性が悪く、昨年もQ2進出が果たせなかったコースですが、今回は予選 Q1突破への自信を深めました。

 午後の予選、アタッカーは関口雄飛。いつものように予選開始直後から、各チームとも動きを見せず、静かに緊張した時間が流れます。1アタックですべてを決める GT500 の予選、まずはアドバンタイヤ勢が動きました。残り 8分30秒でコースインした関口雄飛は、慎重にタイヤを温め、一気にアタック。1分19秒251をマークして、7番手。見事Q2進出を決めました。

 予選Q2は全車が1秒以内につける接近戦となり、国本雄資選手もコースレコードを更新するものの、決勝は8番手グリッドからのスタートとなりました。

 決勝当日、朝のフリー走行では気温14度、路面温度が17度と、やや肌寒いくらいのコンディションとなったため、決勝での気温や路面温度が上昇すると判断し、関口雄飛はそれを配慮して決勝用セットアップを煮詰めていきます。途中、2度の赤旗が出てセッションは5分延長されて終了。タイム的には11番手でした。

 お昼休みには、脇阪寿一選手の GT500 引退記念セレモニーが盛大に開催され、関口雄飛は登壇して花束贈呈、固い握手を交わしました。

 決勝レースは関口雄飛がスタートドライバーを務め、序盤戦はタイヤを温存しながらペースを調整していく作戦でしたが、前を行くマシンが GT300 マシンの処理に戸惑う隙を見逃さず、アグレッシブに1台、また1台と見事なオーバーテイクを見せ、場内に詰めかけたファンを沸かせます。6番手までポジションを上げたところで、再びタイヤを温存するペースに切り替えました。前を行くマシンが次々とタイヤ交換でピットに戻る中、37周目、3番手まで浮上したところで関口雄飛もタイヤ摩耗が予想以上に厳しかったので、やや早めのピットインとなりました。

 ステアリングを受け継いだ国本雄資選手はピットアウトのタイミングが悪く、1台に抜かれてしまいましたが着実なペースで周回を重ねていきました。しかし終盤、やはりタイヤ摩耗が厳しく、結果 9 位でチェッカーとなりました。

 坂東正敬監督は、「序盤、関口選手が素晴らしい走りを見せてくれました。そのまま行けるかと思ったのですが、予想以上にタイヤの摩耗が厳しく、それでも順位をキープしてくれた関口選手には感謝しています。まだまだセットアップを煮詰めて、いかにこのタイヤを生かせるかを今後の課題として、次の富士を迎えたいと思います。移籍してくれた国本選手にも、彼のパフォーマンスを発揮できなかったマシンのセットアップを申し訳なく思っていますが、これで昨年から11戦連続してポイント獲得できましたので、その意味で次のレースは大量得点を目指します」と語ってくれました。


■関口雄飛のコメント
「今回のレースは自分としては珍しく、自分自身に100点をあげたい気分でした。岡山はチームにとっては相性が悪いサーキットで、Q1敗退が続いていたのですが、今回はオフの間のタイヤ開発やテストの成果が、Q2進出という結果として出せたと思います。決勝レースは、序盤からスタート順位をキープして前のマシンに離されないようにペースを上げて、かつタイヤを温存していたのですが、GT300 のマシンに絡んだ時に2度ほどチャンスが訪れたので、そこはしっかり2台とも抜きました。しかし抜いたマシンの方がもともとペースは速かったので、今度は抜かれないように走らなければならなくなり、後半はかなり苦しかったのですが、最後まで抑えきることができました。国本選手も同じ状況の中、かなりバランス的には厳しかったとは思いますが、頑張ってポイント獲得を目指して戦い抜いてくれました。結果は9位でしたが、昨年、一昨年と内容を比較してみても、予選、決勝を通じて大きな進歩のある2016年開幕戦だったと思います。今後はチームともっとコミュニケーションを取って、ドライバー同士も、もっともっとレベルアップして、より上位を目指したいと思います。応援ありがとうございました」