全日本ラリー選手権(JRC)は8日~10日、佐賀県唐津市を中心に今季開幕戦ツール・ド・九州2016 in 唐津が行われ、勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が優勝。勝田は同大会11連覇を達成した。
今年のJRCは最上位のJN6クラスは4輪駆動車のみ、JN5クラスは排気量2500cc以上の2輪駆動車のみとなるなど、クラス区分のレギュレーションに大きな変更が加えられている。そんな新時代の幕開けを予感させる今季開幕戦は全14SSの総SS距離69.23km、総走行距離323.12kmで争われた。
大会前日に暴風雨があったため、デイ1の各ステージは荒れたコンディションでの開催となった。大会11連覇の期待がかかる勝田は、この難しいコンディションをものともせずSS1~4を連続で奪取。総合2番手に対し、22.6秒のマージンを構築するスタートをみせる。SS5~7では総合2番手につける福永修/竹原静香(ミツビシ・ランサーエボリューションX)が反撃し、ギャップを7秒縮めたが、デイ1最終のSS8は勝田が制し、ギャップを17秒まで押し戻した。福永と約11秒差の総合3番手には鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)がつけているほか、昨年王者の新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)はタイヤが路面コンディションとマッチせず苦戦。勝田と56.9秒差の総合6番手でデイ1を終えた。
トップを快走する勝田はデイ2のオープニングステージであるSS9でもトップタイムを記録すると、大量リードをもとにペースをコントロールする戦略にシフト。最終的に総合2位との差を31秒のマージンを築いて総合優勝を果たし、11年連続でツール・ド・九州を制覇した。総合2位争いは、SS10を制した鎌田が福永に3.4秒差まで詰めよると、SS13で逆転。スバル勢のワン・ツー・フィニッシュに貢献した。総合3位は福永が入り、総合4位は奴田原文雄/佐藤忠宜(ミツビシ・ランサーエボリューションX)、総合5位はSS11~12を制するなど調子を取り戻した新井が獲得している。
大会11連覇という偉業を成し遂げた勝田は「マシンコンディションやタイヤも良く、初戦に勝つことができてホッとしています。これで開幕11連勝ですが、記録を気にせず自分の走りに徹したことが勝因だと思います」と喜びを語った。
JN5クラスはデイ1をクラストップで終えた眞貝知志/安藤 裕一(アバルト500 R3T)が優勝。全日本ラリー初のイタリア車初優勝を達成したほか、JN4クラスは石川昌平/石川恭啓(トヨタ86)が、JN3クラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が、JN2クラスは小濱勇希/馬場雄一(スバルBRZ)が、JN1クラスは三苫和義/引間知広(ホンダ・フィット)がクラス優勝している。
JRC第2戦久万高原ラリーは4月29日~5月1日に開催される。