2016年4月11日(月)
トヨタ自動車(株)モータースポーツマーケティング部
カイル・ブッシュが2週連続の週末完全制覇!
テキサスの超高速ハイバンクオーバルで行われたスプリント・カップ・シリーズ第7戦は“トヨタ・カムリ”勢が速さを見せ、5台が入れ替わりながら全334周中320周で首位を走行しレースを支配、最後に首位に立ったカイル・ブッシュが今季2勝目を挙げた。カイル・ブッシュは前日のエクスフィニティ・シリーズも制し、前週に引き続き週末を完全制覇。3カテゴリーの計4レース全勝を果たした。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第7戦 Duck Commander 500
開催日:4月9日
カイル・ブッシュが2週連続の週末完全制覇!
“トヨタ・カムリ”勢がレースを支配
4月9日(土)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第7戦「Duck Commander 500」が開催された。
テキサスは1997年開設と比較的新しいコース。NASCARでは標準的な1周1.5マイル(約2.4km)オーバルだが、コーナーのバンク角が24度と高く、最高速度は320km/hを優に超える、1.5マイルオーバルでは最速クラスのコースである。
テキサスでカップ・シリーズは年に2戦行われており、トヨタは過去3勝。デニー・ハムリンが2勝、カイル・ブッシュが1勝を挙げている。また、カール・エドワーズもトヨタへの移籍前に3勝、マット・ケンゼスも2勝を挙げており、トヨタ勢の活躍に期待がかかった。
9日(土)の決勝レースは、直前まで降雨に見舞われ、濡れたコース路面を乾かすために予定よりもスタートが1時間ほど遅れ、日もとっぷりと暮れた午後8時35分に、通常とは異なる、ペースカー先導のまま334周(501マイル:約800km)の周回が開始された。
6周目にグリーンフラッグが振られ本格戦開始。今季初のポールポジションを獲得したエドワーズが首位を逃げ、3番手スタートから順位を上げたマーティン・トゥルークスJr.がこれを追う展開に。この日絶好調の走りを見せたトゥルークスJr.は59周目にエドワーズをパスすると、2位以下を大きく引き離しての首位独走となった。
中盤戦は、トゥルークスJr.を追ったエドワーズ、ケンゼス、カイル・ブッシュらがピットなどで順位を入れ替えるも、“トヨタ・カムリ”勢がレースを通して首位争いを繰り広げた。
後半に入ると、トゥルークスJr.と首位を争っていたエドワーズがホイールが緩むトラブルに見舞われ周回遅れに。最後までぎりぎり走り切れる周回の残り56周でコース上の異物によりイエローコーションが出され全車ピットへ向かうと、ケンゼスもここでホイールナットの締め付けミスで再度ピットインを強いられ後退。
残り50周で再スタートが切られ、トゥルークスJr.が首位をキープするも、僅か4周で他車のクラッシュによりイエローコーション。ここでカイル・ブッシュらがピットへ向かったのに対し、トゥルークスJr.はコース上に残って最後まで走り切る作戦に出た。
しかし、再スタート後すぐの多重クラッシュ発生によりコーションラップが長引き、予想以上にタイヤを摩耗させてしまったトゥルークスJr.は残り33周での再スタートでグリップが得られずポジションダウン。これをかわしたカイル・ブッシュが首位に立った。
この日最速だったトゥルークスJr.の後退により、終盤はカイル・ブッシュが独走。4秒近い大差をつけてトップチェッカー。今季2勝目を挙げた。カイル・ブッシュは前日のエクスフィニティ・シリーズでも勝利。前週のカップ、トラック両レースも制しており、2週連続で週末のレース完全制覇「スウィープ」を成し遂げることとなった。また、この連勝でカイル・ブッシュはドライバーズランキングでも首位に返り咲いた。
この日最多の141周にわたりレースを支配したトゥルークスJr.は悔しい6位フィニッシュ。一時は周回遅れになるも「ラッキー・ドッグ」獲得から追い上げたエドワーズが7位でフィニッシュした。
“トヨタ カムリ”勢はトゥルークスJr.とエドワーズ(124周)、カイル・ブッシュ(34周)、ケンゼス(20周)、デイビッド・レーガン(1周)と5人のドライバーで全334周中320周で首位を走り、レースを支配する速さを見せた。
次戦第8戦は4月17日(日)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「ピットとの無線交信を続け、“トヨタ・カムリ”の調整を続けた。我々の“トヨタ・カムリ”は速かった。特にコーナーの進入と中間までは速かったが、出口で多少調整が必要だった。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。コースコンディションは、周回が進んで行くにつれ我々に味方してくれているように感じた。序盤はチームメイトが本当に速かった。チームにとって素晴らしい夜になった」
ドライバー マーティン・トゥルークスJr.:
「最後はタイヤが終わってしまった。ターン1と2でサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げた後、ターン3ではもうグリップが残っていなかった。ライバルは全車新しいタイヤに交換していたが、コース上に残った我々は、長いコーション中に空気圧を維持しようとしたのだが、逆に摩耗が進み、グリップを失ってしまった。とはいえ、この週末我々は本当に速かった。今日のようなことはこれまでにも何度か経験している。残念だが、必ずこれが好結果に繋がると今日のことはポジティブに捕らえたい」
■NASCAR第7戦 レースハイライト