常に鈴鹿8時間耐久レースの優勝候補に挙げられ、これまでに3度の優勝経験を持つTSR。今年はル・マン24時間耐久レースに初参戦。見事に3位表彰台を獲得した。
参戦理由を「これまでに培ってきたTSRの力が、世界耐久選手権の最高峰に位置づけられるル・マン24時間でどこまで通用するのかを試してみたい」と説明した藤井正和監督。ライダーには渡辺一馬、アラン・テシェ、ダミアン・カドリンを起用した。
2月末に独自の特別仕様を施したマシン、『CBR1000RR-TSRルマンスペシャル』をシェイクダウン。3月末には公式テストに参加。6番手という好スタートを切った。
ル・マン24時間の予選は木曜日と金曜日に1回ずつ行われ、3人のライダーのタイムの平均で争われる。予選初日は雨に見舞われたが、2番手タイムをマーク。予選二日目はドライコンディションだったものの、低い気温の中でタイムアタック。最終的に13番手グリッドとなる。
決勝スタートは4月9日の土曜日。朝から雲が広がり、雨がぱらつく。微妙な路面コンディションでのフリー走行は3番手をマーク。そして現地時間の午後3時に24時間という長丁場のレースがスタートした。
TSRはウエットからドライへと変化する中、3時間以上をトップで周回。しかし追い上げてきたSRCカワサキにかわされて4時間経過時点で2番手に後退し、追う側に回る。その後は3番手まで後退したが、再び2番手に浮上と2位争いを展開。最終的には耐久スペシャリストチームにかわされたものの、3位でフィニッシュ。見事に24時間耐久初挑戦で表彰台を獲得した。
3人のライダーは日の丸に“必勝”の文字が入った旗を携えて表彰台に登り、盛大にシャンパンを振った。周回数は実に808周という膨大な数。日本の力、TSRの実力を、耐久レースの本場であるフランスで証明してみせた。