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コバライネン「各セッションで手応えを感じていたが、結果に結びつかなかった」

2016年04月11日 19:51  AUTOSPORT web

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2016 スーパーGT 第1戦岡山 7位でフィニッシュしたDENSO KOBELCO SARD RC F
DENSO KOBELCO SARD RC F
開幕戦岡山、踏ん張りの7位フィニッシュ

2016 SUPER GT 第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」(4/9-10)
岡山国際サーキット(1周3.703km)
入場者数:予選9,600名、決勝19,000名 合計28,600名

 4月10日(日)、シリーズ開幕戦となるSUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝が行われ、6番グリッドから勇往邁進に勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタートを担当した平手が序盤から緊迫した好バトルを展開。だが300クラスに詰まったところで7位にポジションダウン。しかし諦めない平手は前を追いかけ続け36周でヘイキと交代。ヘイキも好ペースで前のクルマを追い続けた。その後、一進一退の攻防となり、後方からも追い上げられる緊迫した展開となったが見事に踏ん張ってチェッカー。7位で開幕戦を終えた。
 ドライバーポイントでは4点を獲得、チームポイントでは7点を獲得した。次の第2戦はゴールデンウィーク中の5月3日(火・憲法記念日)・4日(水・みどりの日)に富士スピードウェイで開催される。

■公式練習走行
 桜の花が咲き誇る春の季節の訪れとともに、いよいよ2016年シーズンが開幕。2年目のコンビを組むヘイキ・コバライネンと平手晃平の今季初陣となる第1戦岡山。2月に行われたオフシーズンテスト、3月に当地で行われた岡山GTA公式テストでは上位タイムをマークするなどDENSO KOBELCO SARD RC Fは順調な仕上がりを見せており、これまでのドライバーコメントからも十分な手応えを感じてる様子。2人のコンビネーションもガッチリと組み合わされてセットアップの進みも早く、テストで一発もロングランのタイムも速く安定した結果が出ている。

 ドライバーを始めチーム一同が待ちに待った開幕戦の舞台は、岡山県東部の山間部・美作市にある岡山国際サーキット。開幕戦はハンディウェイトが各車ともゼロ、公式予選は両ドライバーが1回ずつアタックするノックアウト方式(Q1とQ2)でグリッドが決まり、決勝は300kmでピットストップは1回となる。コースはF1も開催されたことがあるテクニカルなレイアウトで、約3.7kmと距離が短いながら至る所にパッシングポイントがあり、ボディを擦り合わせながらの激しい超接近戦がコースサイドのすぐそばで見られ、迫力の臨場感があるサーキット。今季悲願のシリーズタイトル獲得に向け、その最初の一歩となる開幕戦に勇往邁進、勢い良く勝利を狙っていった。

 9日(土)午前中の公式練習走行は、気温17度/路面温度19度のドライコンディション。9時から混走セッションが開始され、路面の状態が安定した頃にヘイキがまずコースイン。早速、最初のアウティングで1分19秒186のその時点とトップタイムを叩き出し、テストからの好調さを維持している様子。その後21秒台の好ペースでラップを重ね、24周目から別のドライタイヤを装着して32周にわたってクルマの仕上がり具合を精力的に確認した。33周目からは平手がドライブ。まずは肩ならしといった感じで混走セッションの最後まで走行。その後の10分間のGT500単独セッションでは、平手がアタックシミュレーションを行い、5周目に1分19秒960のタイムをマークした。ドライながらもコンディションが変化していった公式練習走行ではトータル48周を走行。赤旗中止となったサーキットサファリもクルマのチェックに費やし、午前中は結果、ヘイキがマークした1分19秒186の3番手タイムでQ1への準備を無事に整えた。お昼のピットウォークには、株式会社サードの軽飛行機事業のアドバイザーを務めるエアレースパイロット室屋義秀選手が来場。ピット前は大盛況の賑わいとなった。

■公式予選
■Q1:ヘイキがコースレコードとなる3位でQ1を見事に突破
 9(土)薄曇りから晴れ間が広がり、気温23度/路面温度27度と暖かくなったQ1。残り8分ほどとなってから続々と各車がコースイン。気合い十分でみなぎる闘志を持ってクルマに乗り込んだヘイキは硬めのタイヤを入念にウォームアップ。4周目にまずは1分19秒219のタイムをマーク。各車に続いてセクタータイムが更新されていく中で、ピットから現時点のトップタイムがヘイキに伝えられる。渾身のアタックに入ったヘイキはセクター2でベスト更新。セクター3も良いペースで駆け抜け、コースレコードとなる1分19秒004と3番手タイムを叩き出し、非常に僅差の争いとなったQ1を見事に3位で突破した。

■Q2:平手がタイムアップするも6位に
 公式予選Q2は、気温23度/路面温度32度に。Q1同様に残り8分ほどで各車がコースイン。ヘイキと同じタイヤを選択した平手は同様にウォームアップを入念に開始。走行前にヘイキのデータを見ながらイメージトレーニングを行った平手は、4周目にヘイキのタイムを上回る1分18秒963と19秒台を切ってくる。続く5周目もアタックを続け、セクター1で自己ベストを叩き出し、期待がかかったセクター2、3は4周目と同様のセクタータイムを刻んできた平手。ヘイキのタイムを上回りコースレコードを更新するも6位にとどまる悔しい結果となった。決勝は3列目6番グリッドからの逆襲を目指す。

■決勝
■フリー走行
 10日(日)決勝日のフリー走行開始時は、気温15度/路面温度18度のうす曇りでドライコンディション。まずスタートドライバーを努める平手がステアリングからコースイン。5周目に3番手タイムをマークしながら決勝セットの確認を続けていたが赤旗中断に。再開後は平手が一旦コースインした後にピットワークのシミュレーションを兼ねて再度ピットインした後にヘイキと交代。2回目の赤旗中断を挟んで公式練習走行は17周を走行。チェッカー周にヘイキがマークした1分21秒771のトップタイムで決勝への準備を終えた。

■決勝スタート
第1スティント:平手が緊迫したバトルを展開
 10日(日)14時30分決勝スタート時点は気温20度/路面温度26度の曇り。6番グリッドから勇往邁進に勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD RC Fは、スタート担当の平手が序盤から緊迫した好バトルを展開し、チャンスがあれば前走車に襲いかからんばかりの気迫あふれる走りを見せた。だが9周目のヘアピンで300クラスに詰まったところで後続の19号車にかわされ7位にポジションダウン。しかし諦めない平手は離されまいと前を追いかけ続け、徐々にその差を縮めていった。5位を争う集団で膠着状態となるとともに、平手からリアタイヤが厳しくなってきたとの無線が入る。上位陣がピットインを始めた36周でヘイキと交代のため、平手がピットへ滑り込んだ。

第2スティント:ヘイキが苦しむも踏ん張りの7位に
 約42秒の素早いピットワークとアウトラップの頑張りで19号車をかわし12号車とのギャップを削るチームワークを見せるも、先にピットインした38号車にかわされてしまい、順位は変わらず7位。だが猛チャージを続けるヘイキは好ペースで12号車との差を約7秒から約3秒につめていった。チャンスがあれば一気に順位が浮上するポテンシャルを見せる走りとなった。その後は一進一退の攻防に。後方から36号車も追いついてくる緊迫した展開となった。だがピットからの檄もあり見事に抑え込み、踏ん張りの7位で開幕戦を終えた。ドライバーポイントでは4点を獲得、チームポイントでは7点を獲得した。次の第2戦はゴールデンウィーク中の5月3日(火・憲法記念日)・4日(水・みどりの日)に富士スピードウェイで開催される。

■ヘイキ・コバライネン
「2年目のシーズン、クルマも自分自身も進化して迎えた開幕戦で、このレースウィークの各セッションでは良い感じで手応えを感じていたが、決勝の結果には結びつかなかったのは残念だ。ライバル勢と比べて大きな差は感じてはいないが、ここから差を詰めていくのはこれまでよりも大きな努力が必要。これからもチャレンジし進化を続けていきたい。今回も多くのファンに元気づけられたので、次の富士は公式テストでも順調だったので、結果に結びつけて喜ぶ顔をみたいね」

■平手 晃平
「2年目の体制でクルマも順調に仕上がっていって良い流れで来ていましたが、今のポテンシャルを出し切れないまま開幕を終えてしまいました。まだ足りない点が残っていますが、確実に次なるステップへ向かっているので、あとはそれを形にするだけです。今回の悔しい思いを決して忘れずに、次のレースまでにしっかりと準備をしたいと思います。次の富士はLEXUSのホームコースですので持てる力を発揮してお世話になった関係各位の方々やファンの皆様に恩返しできればと思っています。引き続きのご声援よろしくお願いいたします」

■野田 英樹監督
「公式練習で3番手、Q1で3番手、Q2で6番手、決勝を想定した決勝朝のフリー走行はトップとすべて順調でした。しかしながら決勝では惨敗の7位でした。レースは速さではなく、強くないと勝てないという事を改めて痛感しています。今年のサードは速さがあります。今度は強いサードにならなくてはなりません。それを実現できるように努力をしていきたいと思います。応援して頂いた皆様ご声援ありがとうございました。次の富士戦では結果で応えたいと思います」