FIA-F4第2戦岡山 表彰台 FIA-F4選手権のセカンドシーズンが、いよいよスタート。今年もスーパーGTとともに4月9日(土)~10日(日)、岡山国際サーキットで第1大会が開催された。2戦ともにポール・トゥ・ウィンを達成したのは川端伸太朗(SUCCEED SPORTS F110)で、チャンピオン最有力候補との呼び声も高い阪口晴南(HFDP/SRS/コチラレーシング)は第1戦では2位でゴールしたものの、第2戦は無念のリタイアを喫している。
木曜日に行われたトレーニングこそ嵐のような悪天候に見舞われたが、金曜日からは好転していき、土曜日の予選は絶好のコンディションとなっていた。今年も予選のファーストベストが第1戦の、セカンドベストが第2戦のグリッドを決定する。1分33秒706、33秒865と、そのいずれもトップだった川端が、2戦ともにポールポジションからスタートすることになった。「路面温度の低い時は自信があったので、予選はいけるだろうと。ただ、決勝は温度も高くなるでしょうし、スーパーGTの車両が走った後なので、どう合わせ込めるか」と自身に課題を課した川端。
一方、阪口は第1戦こそ2番手ながら、第2戦はまさかの11番手。セッション中盤、そして終了間際と二回も赤旗が出され、タイヤの温存のため、序盤をピットで待機していたことが裏目に出てアタックを重ねる機会を失ってしまったからだ。より深刻だったのはFTRSスカラシップF4の宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)で、第1戦は10番手、第2戦は16番手に沈んだ。
土曜日の午後に行われた決勝レース第1戦も、コンディションには恵まれることとなった。注目のスタートは、川端と阪口、そして3番手の河野駿佑(グッドスマイル初音ミクF110)がほぼ同時タイミングで飛び出すも、後続のふたりをあえてけん制しなかったことが効いて、川端がトップで1コーナーに進入。4番手はポジションキープの上村優太(HFDP/SRS/コチラレーシング)で、その後方はずらりと車列が続いていた。ところが、2周目のモスSで5番手を争っていた大滝拓也(SRS/コチラレーシング)と平木湧也(DENSOルボーセFTRS)が接触し、セーフティカー(SC)が3周に渡って走行する。
SCが離れた後の、リスタートが勝負を左右した。阪口の虚を突く格好でアクセル全開とした川端は、ストレート通過時点で1秒4のリードを確保。そして、その後方では河野が上村、そして石坂瑞基(HFDP/SRS/コチラレーシング)に相次いでかわされ、5番手に後退。ペースの上がらぬ河野は7周目に追い上げてきていた宮田、そして澤田真治(B-MAX RACING F110)にも抜かれてしまう。
一時は独走ムードも漂わせていた川端ながら、終盤に差し掛かると阪口が急接近。テール・トゥ・ノーズ状態になっていくが、川端は鉄壁のガードで逆転を許さず、嬉しいFIA-F4初優勝を飾ることとなった。「やっと勝てました。これもチームのおかげです。正直、SCが入らなかったら厳しかったかもしれませんが、リスタートはSCラン中にいろいろ試していました。こういう小技も、もう23歳になったので使えるようになりました(笑)」と川端。「リスタートでうまくついていければ、間違いなく抜けたと思います」と阪口は対照的に悔しそう。そして3位の上村は、表彰台に初めて立つこととなった。
日曜日に行われた決勝レース第2戦は曇ってはいたものの、まさに春を感じさせるような陽気の下での戦いに。2番手スタートでトップ浮上を狙っていた河野だが、川端はそれを許さず。オープニングラップは川端、河野、上村がトップグループを形成、やや間隔を置いて石坂、一気に順位を上げてきた阪口、大滝、平木の順でクリアする。2周目には、さらに石坂と阪口もトップグループに加わるようになった。その一方で、3周目からは川端が一歩抜け出すことともなる。そんな熾烈な2番手争いの中で、さっそく動いたのは上村と阪口で、それぞれヘアピンで河野を、アトウッドで石坂をかわす。特に阪口はなおも手綱を緩めず、10周目のヘアピンで河野に迫るも接触。グラベルに捕まった阪口はリタイア、河野もフロントウィングを傷めてオレンジボール旗を出された後、ピットで戦列を離れる。この混乱を間一髪、回避した石坂が3番手に浮上した。
その後は川端、上村、石坂、そして大湯都史樹(Rn-sports tanzen F4)が、それぞれ単独走行に。その後ろでは平木と川合孝汰(DENSOルボーセF4)が、チームメイト同士で争ったが、逆転シーンはなかった。逃げ切った川端は2連勝、まさに幸先のいい滑り出しを果たした。「レース終盤がつらくなるかと思ったのですが、案外大丈夫でしたね。ラスト5周は安心して走れました。連勝でき、最高です。今年はこのまま行きます!」と川端。2位の上村は2戦連続で表彰台に立ち、続いた石坂が初めて表彰台に立つこととなった。なお宮田は2周目1コーナーで接触されてコースアウト、無念のリタイアを喫している。