ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、同チームがF1デビュー直後の2戦で成功を収めたことが、さらなる新規参入を後押しするだろうと考えている。
ロマン・グロージャンがチームのデビュー戦となったオーストラリアGPで6位、続くバーレーンGPでも5位入賞を果たしたことにより、アメリカを拠点とするハースはコンストラクターズランキングで5位につけている。
ハースの成績が、将来的に新たなチームのF1参入を後押しすることになるのではないかとの質問に対し、シュタイナーは「間違いない。このプロジェクトの成功を期待しているし、より多くのチームがF1に参入することが必要だ」と答えている。
ハースは自社製作が義務付けられていない部品のすべてをフェラーリから供給されており、風洞設備や最新スペックのパワーユニットの使用も許可されている。自社製作の義務がないパーツの供給を受けて出走するチームはハースが初であり、シュタイナーは現在の結果がこの手法の正しさを証明していると言う。
「周りと同じやり方でいくのは難しすぎたので、それは避けたかった。あまりに困難だと感じたので、我々もジーン・ハースもそれは望んでいなかった。成功するチャンスが全くないことを、なぜやらなければならないんだ? 自分たちが選んだやり方に、とても満足している」
ウイリアムズのテクニカルディレクターであるパット・シモンズは、この状態がF1にとって健全であるか否かに懸念を抱いている。シモンズは、ハースとフェラーリが提携する形での参入が許されるルールは、チームがコンストラクターであることの重要性を損なうと考えている。
ハースが今のやり方で成功し続けた場合、F1のあり方についての議論が活発化するのではないかと問われると、シュタイナーは以下のように述べた。
「問題提起をするつもりはないので、それは分からない。周りがどう考えているかは知らない。他を批判する前に、自分たちが今のポジションにいるのはなぜなのかを、自分たちで考えるべきなのだ。レギュレーションは誰にとっても等しい。我々は、他の皆にもできることをやっているだけだ。やましいことなど何もない。誰も予想していなかったことが起きて、『本当にやる人がいた』と言って驚いているのだ。受け入れることも必要だ」