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SGT岡山:GT300はLEON AMG-GTが待望の初勝利。新型GT3勢がトップ5独占

2016年04月10日 18:21  AUTOSPORT web

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LEON CVSTOS AMG-GTをドライブする黒澤治樹と蒲生尚弥
スーパーGT第1戦は10日、岡山国際サーキットで82周の決勝レースが行われ、GT300クラスは2番手スタートのLEON CVSTOS AMG-GTがトップチェッカー。チーム待望の初勝利を獲得した。

 前日同様の薄曇りとなった決勝日は、時折陽が差すものの、気温20度と穏やかな陽気となった。サーキットサファリ時に出火したGULF NAC PORSCHE 911と、午前中のフリー走行でクラッシュしたマッハ車検 MC86は、それぞれ修理が間に合わないことから出走を見送り、DIRECTION 108 HURACANがピットスタートとなったため、GT300クラスはTeam TAISAN SARDのAUDI R8 LMSも含む26台がスターティンググリッドに並ぶこととなった。



 昨年から始まった地元県警協力によるパレードラン、そしてフォーメーションラップの後、決勝レースがスタート。ポールシッターの土屋武士がスタートドライバーを務めるVivaC 86 MCがホールショットを奪うと、LEON AMG-GTの黒澤治樹、Studie BMW M6のヨルグ・ミューラーとグリッド順のままで周回が重ねられていった。レース序盤はこう着状態が続いていたが、周回数が進みGT300の背後にGT500クラスの車両が迫ってくると、ようやくレースも動きを見せ始める。

 まずはARTA BMW M6とグッドスマイル 初音ミク AMGが7位争いを展開し、16周目のアトウッドで初音ミク AMGがARTA M6をオーバーテイク。ポジションを落としたARTAはその後もペースアップに苦しみ、少しずつ順位を落としていくことに。また、4番手スタートのSUBARU BRZ R&D SPORTもタイムが上がらず、ポジションダウンしていった。

 4番手以下でこうした順位変動があるなか、トップ3は快走を続ける。特にVivaC 86 MCとLEON AMG-GTの2台は1秒以内のギャップを保ったまま、3番手のStudie M6を引き離していく。VivaC 86の土屋は後続との差を巧みにコントロールしているかに思われたが、22周目、GT500の車両を先行させる際にLEON AMGに隙を突かれて接近されてしまう。

 テール・トゥ・ノーズの戦いは数周にわたったが、土屋が巧みに要所を抑え首位を死守。前をこじ開けられない黒澤は31周目にピットインし、アンダーカットの作戦に出た。土屋も翌周にピットに入ると、燃費の良さを活かしてAMGよりも10秒近く作業時間を縮めてアンダーカットを阻止したかに思われたが、土屋からバトンを引き継いだ松井孝允のアウトラップで、LEON AMGの蒲生尚弥が猛追。アトウッドで蒲生が松井を捕らえ、順位を逆転。暫定首位に浮上した。 



 GT300の全車がピット作業を済ませると、トップはLEON AMG。その後ろに続いたのは、43周目にVivaC 86をとらえた初音ミク AMGだった。VivaC 86は、その後もStudie M6、GAINER TANAX AMG GT3に先行を許す形でじりじりと後退。最終的には6位でチェッカーを受けている。

 地元岡山県倉敷市出身の蒲生は地元の声援を受けて快走。一時は2番手との差を16秒まで広げると、最後までノーミスを貫いてトップチェッカー。嬉しいGT初優勝を遂げた。また、チームにとっても待望の初勝利を手にすることとなった。2番手には初音ミク AMGが入り、AMGが1-2フィニッシュ。3位以下にはStudie BMW、GAINER TANAX AMG、JMS LMcorsa フェラーリと、新型FIA-GT3マシンがトップ5を独占している。

(Text:Satomi Asami)