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TOKIO 城島、NEWS 手越、ジャニーズWEST 中間……日テレが築いた「ジャニーズイジり」とは

2016年04月10日 07:31  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 4月3日に『2016春DASHでイッテQ!行列のできるしゃべくり 日テレ系人気番組No.1決定戦』がオンエアされた。日本テレビ系列で放送されている番組や、日本テレビが制作・出資する映画の出演者が勢揃いする特別番組だ。


(関連:TOKIOはなぜ広い世代から支持される? 『ザ!鉄腕!DASH!!』における“タレント力”から検証


 『ザ!鉄腕!DASH!!』、『世界の果てまでイッテQ!』、『行列のできる法律相談所』、『しゃべくり007』が交替でMCを務める4部構成。これまで各番組でオンエアされた全映像の中から厳選された、おもしろVTRやスタジオトークにより、番組対抗で勝負するというもの。


 今回の放送分で最も印象深かったのは、ジャニーズ勢のイジられっぷりだ。一般的には「ジャニーズ=スター」というイメージが強かった。しかし、そんな固定観念を打ち破り、親しみやすい存在へと導いたのは日本テレビのバラエティ番組なのではないかとさえ思う。


 そこで、今回の放送内容であった見事な「ジャニーズイジり」の名場面を振り返ろうと思う。そこから見えてくる日本テレビが広げたジャニーズの可能性を見つめていく。


<NEWS手越祐也の奔放キャラをイジる>


 まずは、4月からレギュラー番組としてスタートした、NEWSの新番組『変ラボ』から。珍プレーとして紹介されたのは、手越が挑んだ神経衰弱の映像。小さなトランプをピンセットでめくるなど、本当に神経をすり減らす神経衰弱をためそうという企画だ。


 なかでも、「日本人の女子大生はみんな同じように見える」という仮説をもとに、女子大生神経衰弱にチャレンジしたときのこと。同じようなメイクや髪型と、見分けがつきにくいはずだったが、手越は「このコ、さっきこっちのカードで見た」とスラスラとクリア。「これ超得意かも」とドヤ顔の手越に、「でしょうね」というテロップ。一度みた女性の顔を忘れない男として、スタジオからも笑いが起こった。


 手越といえばファンに対して「子猫ちゃん」と甘いセリフをテレることなく言い放つことから、モテ男という印象があった。だからこその「でしょうね」なのだ。視聴者の心の声を代弁するかのようなテロップに、思わずクスッとした人も多いのではないか。


 自由な手越を「ジャニーズだから」といって、期待される王子様の枠に当てはめるのではなく、1人の男性としての個性を掘り下げていく。そうすることで、ノビノビとした手越のキャラクターがより引き立つ。過酷なロケの多い『世界の果てまでイッテQ!』で、男性視聴者からも「手越を見直した」という声が多いのも、その結果なのではないだろうか。


<ジャニーズWEST中間淳太の運動音痴をイジる>


 続いては、番組対抗お祭りバトルコーナーから。海外のスイカ割り祭りを模したゲームに、TOKIO山口達也、NEWS手越、増田貴久、ジャニーズWEST小瀧望、中間が参加。30秒間にスイカ型の風船を素手で何個割れるかを競った。30個全て割りきると期待されていた山口は21個と奮わない結果に「普段スイカを育ててるから」という切り返しは実に見事。


 また、増田が29個、小瀧と手越が28個と健闘するなか、中間だけが12個と全く歯が立たない。デビュー前からシンメトリーとして中間と活動をしてきた桐山照史も「情けない」と渋い顔。


 この状況に耐えきれず、中間自身が「僕、ジャニーズで一番運動音痴なんです」と暴露。これはファンの中では周知の事実だが、ジャニーズ=バク転、ダンス何でもできるというイメージを持っている人にとっては大きなギャップだろう。


 「ジャニーズ=カッコ悪い部分は見せない」ではなく、そこもイジっていいんだという空気を創りだすのが非常にうまい。最終的には、「後半女子になってた」とツッコまれるなど、いわゆるおいしい展開へと発展した。「ジャニーズなのに運動神経が悪い」というキャラで、中間がブレイクする日も近いかもしれない。


<立ち位置の迷走、泣き顔のブサイクさをイジる>


 この番組だけでも、TOKIO、嵐、関ジャニ∞、KAT-TUN、NEWS、Hey!Say!JUMP、ジャニーズWESTと数多くのジャニーズアイドルが出演。これだけ多くのメンバーの中では、自分の立ち位置やキャラクターの確立に迷走するメンバーもいるだろう。本来、デリケートな話題だと思われるこの部分も、「妬み嫉みグランプリ」として堂々とイジっていった。


■NEWS小山慶一郎のアイドルらしくないところをイジる


 ニュースキャスターとして活躍中の小山。スーツのイメージが強くなってきたことから、カジュアルな服装で番組に出演すると東野幸治に「無理してる?」とイジられる。キャスターとしてはもちろん、アイドルとしてもどんどん活躍していきたいと本音をポロリ。


 嵐の二宮和也がドクターフィッシュを体験した際にバスローブから股間がチラ見えしてしまったり、TOKIO城島茂がドラム缶風呂で股間が丸出しになった過去VTRを見て、「僕も股間を自分の顔で隠す仕事がしたい」と語る小山。「立ち位置を見失うジャニーズアイドル」は、小山が見つけた新たな立ち位置になるかもしれない。


■関ジャニ∞横山裕のブサイクな泣き顔をイジる


 『ヒルナンデス!』で「Hey!Say!JUMPの出番を取りたい」と公言するなど、日頃から競争心の高い横山。そんな横山が、同じ関ジャニ∞の大倉忠義の涙を流す顔が美しいと妬んでいることを発表。さらに、泣き顔からのさわやかなジャニーズスマイルもうらやましいのだそう。


 実際に、横山の泣き顔を検証してみると、口は半開きで鼻水まで出ている。「自分でもブスだと思う」と話し、さらに先輩のTOKIO山口からは「あれは心の顔だから」と一喝。さらに「『ヒルナンデス!』のワイプ(VTR中に小さくスタジオの様子が映されているもの)の顔を気にしたほうがいい」とイジり続ける。「マジのダメ出しじゃないですか」と横山。今後、「○○しているときもブサイク」とイジられ、笑いが起きることもあるかもしれない。


■Hey! Say! JUMP八乙女光の必死に映ろうとする姿勢をイジる


 八乙女は、『スクール革命!』で共演しているJUMPメンバーとの放送にのる時間の差を気にしていると発言。難しいビリヤードやクロス引きなど、なんでもすぐにマスターしてしまう天才肌の知念侑李。何をしても「これぞジャニーズ」と言われる結果を出す知念は、成功例としてオンエアにのる。また一方で、完璧なようでいて抜けたところがある山田涼介は、「ジャニーズなのに」という失敗例として笑いを持っていく。


 それに対し、大抵のことをそつなくこなす八乙女はカットされやすいのだとか。そのため、ロケではボケ倒してくると、アンジャッシュの渡部建に暴露され、恥ずかしい展開に。さらに、羨ましがられているという2人からは「なんとも思ってない」(知念)、「どうでもいい(笑)」(山田)と一蹴。相手にもされていない八乙女をイジり倒した。今後、知念がファインプレーを見せたり、山田が笑いを取った際は、“実は目が笑っていない”という八乙女の表情に注目だ。


<NEWS、KAT-TUNの人数の増減をイジる>


 3月末でメンバーが脱退したことにより、3人でのツアーと5月からグループとしての活動を充電すると発表したKAT-TUNの亀梨和也。有吉弘行から「充電明けたらさらにパワーアップした5人に…」というボケに「人数は3人です」とすかさずツッコみ、笑いに変えた。


 また、新メンバーの加入なども可能性としてはアリという発言も。「6人から3人になってるわけですから」と前向きな姿勢を見せた。同じくグループの人数が減った経験のあるNEWSも「非常に気持がわかる」(加藤)、「僕らは9人から4人なんですよ」(手越)と援護。続けて、笑点メンバーが「こっちは、(メンバーが高齢で)いつ死ぬかわからない」と自虐ネタを披露し、盛り上がった。


<TOKIO城島の昭和テイストをイジる>


 KAT-TUN、NEWSの人数イジりを受けて、「TOKIOの中からKAT-TUNに入れるとしたら誰がいいか」という話題に発展。自分の名前が出るのではと期待する城島に注目が集まった。


 前のめりになるも亀梨の答えは「やっぱ長瀬くん」。がっかりする城島だったが、NEWSにも聞くことになり、再び前のめりに。加藤が「NEWSはヤンチャなメンバーばかりなので、まとめてくれるようなリーダーがほしい…」と、あおる。“リーダー城島”と呼ばれるだけあり、期待が高まるも「国分太一くん」という答えにがっかり。苦虫を噛みつぶしたような顔芸を披露し、MCから「あんたは昭和の喜劇王か」とイジられた。


 話は進み「ジャニーズの尊敬している先輩は?」という質問に再度、城島に注目が集まる。今度こそ自分ではないかと感じる城島。しかし後輩たちの口から出てきた答えは、嵐の櫻井翔、V6の井ノ原快彦、近藤真彦と、肩すかしをくらう城島の反応は、まるでコントのよう。


 すると亀梨が「みんなわかってない。何が必要ってリーダーの存在がどんだけ大きいかですよ」と、切り出す。今度こそ自分だと確信した城島。亀梨の言葉に、ハンカチを取り出し目頭をおさえる。そして、亀梨から出てきた「リーダー大野(智)くんです」の言葉に、「Oh,No(オーノー)」とリアクション。「昭和の番組かと思われる」とMCに突っ込まれ、見事にオチを務めた。


 以前、『ザ!鉄腕!DASH!!』の台本は必要最低限の進行のみで、ほとんどがメンバーのアドリブだという話が話題になったことがある。日本テレビの番組は、そうしたジャニーズメンバーのやりたいこと、それぞれの個性を認め、共に番組を作っていくというスタンスが軸になっているように思う。そうした信頼関係があってこそできるのが「ジャニーズイジり」。これからも、どんどん彼らをイジり、おいしい場面をたくさん見せてくれることを期待している。(佐藤結衣)