フェイスブック社は、ハイテク業界の夢の職場とされています。同社のインターンは、一般の米国労働者より2万5000ドル(約282万円)も高い報酬を受けているそうです。
働く人の条件としては悪くないはずですが、それでも英語の質疑応答サイトQuoraには、フェイスブックの現・元社員から好ましくない体験談が寄せられています。3月19日付のビジネスインサイダーがレポートしています。(文:夢野響子)
1.年6週の「オン・コール義務」
「オン・コール」とは週7日間、1日24時間体制でサービスを維持する責任をエンジニアが強いられるもので、それが年間6週間あるそうです。
オン・コール業務中には何があっても、フェイスブック利用者の問い合せに応えなければなりません。ケイス・アダムスさんは「この間は電話を常に充電して、寝る時もオンにしておかなければならない」と語っています。
2.「チーム作りは二の次」の上司
ある元社員は、チームのメンバーをやる気にさせるようなマネジャーが過少評価されていると述べています。彼の上司も、従業員にはほんの少しの時間しか割かなかったそうです。
3.公私の区別なし
意外なことに「公私の区別がなくなるほど働く」という意味ではないようです。ほとんどの企業には、労働者の職業的個性と私的個性の間に一線を引くことで、職場をプロのワークスペースにしている面があります。フェイスブックでは「自然体の自分でいること」が暗黙のうちに奨励されているので、プロ意識が薄らぐ場合があるのだそうです。
4.大企業でありながら、若々しく振る舞おうとする
巨大なハイテク企業でありながら、フェイスブックは若いスタートアップのように振る舞おうとしているところがあります。元社員は「年取った男がティーンエイジャーのように行動したがるアダム・サンドラーの映画のようで、とても奇怪だ」と語っています。
アダム・サンドラーは、米国で人気の喜劇俳優。『ビッグ・ダディ』では、子ども以上に幼稚な行動を連発するダメ男を演じました。
5.無料の食べ物は提供されても
大きな部屋にピクニックテーブルが何列も並び、人々が15センチ間隔で肩と肩を触れ合いながら、プライバシー皆無で働いています。これは牛舎のようで、高い才能を惹き寄せる方法とはいえません。
6.ザッカーバーグとシェリルが聖人ぶっている
CEOのマーク・ザッカーバーグ氏とCOOのシェリル・サンドバーグ氏が、男女平等社会を作る「Lean In」(サンドバーグ氏の著書)のような"課外活動"にあまりにも多くの時間を費やしている、と漏らす社員もいます。
7.決定をインターンが下すことがある
フィリップ・スー氏は「フェイスブック勤務で嫌なこと」という記事を、自らのブログに載せています。
「私はエンジニアやインターンさえもが、単独で決断を下すのを目撃しました。すべて上司に内緒に、です」
このやり方が企業で通用するとは想像できませんが、彼の皮肉たっぷりな記述は読者を楽しませています。「これらがなければ、単にコード、コード、コードだけの会社ですから、それを考えただけでも疲れますよ」ということです。
8.非情な量の電子メール
トーマス・ムーアさんは勤務中、毎日1600通以上の内部メールを受け取っていたそうです。彼は「フェイスブックで働いた」という擬似有名人的な地位は好きではないと言っています。人々が「フェイスブック?それ何のこと?」と言っていた時代が懐かしいそうです。
この2004年放送のこの番組では、起業当時のザッカーバーグ氏が「フェイスブックとはどんなものか」を人々に説明しています。フェイスブックを誰も知らなかった時期があると考えてみるのは、いまでは不思議な気さえしますが……。
9.仕事を離れられない
インドのフェイスブックで働いたスナヤマ・センさんは、常にPINGを使ってインターネットに接続しているか調べられていたと発言しています。
「この会社では、仕事を離れることはまったくできません。休暇中もです」
10.真に機能的なインフラストラクチャの欠如
4000人のチームでクールなことをするのは、500人のチームでするよりはるかに難しいものです。「この会社は急成長を続けたために、組織や、安定性を考えていません」
フェイスブックの人気に比べたら、これらの苦情は取るに足らないものでしょうが、真実が垣間見られるかもしれません。
(参照)10 Employees Talk About Working At Facebook And It Doesn't Sound All That Pretty(India Times)
あわせてよみたい:Facebookユーザーの6割が友達の「リア充投稿」にイラッ