ザウバーF1チームはスウェーデンのスポンサーから資金の前払いを受け、未払いとなっていたスタッフの3月分の給与を支払うことができるという。これによって、中国GPへの参戦も可能となった。
資金は4月8日にザウバーの口座へ振り込まれ、遅くとも来週の月曜日(11日)にはスタッフ全員に給与が渡ると考えられている。チームは資金難から2月分の給与を期日に支払うことができず、3月も同様の状態が続いていた。これにマーカス・エリクソンのスポンサーが介入し、スタッフの給与が確保できるよう、資金の前払いをすることとなった。
チーム代表のモニシャ・カルテンボーンが24時間体勢でスポンサー探しに奔走しているにもかかわらず、ザウバーの財政危機は解消されずにいる。カルテンボーンは何社かと話し合いをするためにバーレーンGPを欠席したが、いまだ新規契約は得られていない。交渉を続けるために本拠地であるヒンウィルに残るほうが有益となる可能性があるため、代表が中国GPに出席するか否かは未定となっている。ここ数週間のうちに新たなスポンサーが得られない場合、4月の給与を支払うためにチームは再びスウェーデンのスポンサーや、フェリペ・ナッセの持つブラジルのスポンサーに頼らざるをえなくなる。
先週の段階で中国GP出場の可能性を質問されたエリクソンは「100%だ」と答えている。ザウバーは上海でのレースに向けた準備を通常通り行っており、第一陣のスタッフは土曜日(9日)に出発している。その他のスタッフも、この3日後には出発する予定だ。ザウバーは資金難を解消するため、昨年F1最高権威者のバーニー・エクレストンに分配金の前払いを要求した3チームのうちのひとつである。
チームのテクニカルディレクターを務めていたマーク・スミスは「個人的な理由から」加入後9カ月で辞職。資金難のためマシンの開発が進められず、コース上のパフォーマンスでも遅れを取っている。
エリクソンは「いつも資金面は厳しく、僕らは小規模チームなので大規模チームのようには開発ができない。僕は自分の仕事をするためにここにいるのだし、コースに出たときには毎回、自分の能力を最大限に発揮する。ドライバーとしての僕にできることは、それだけだ。もちろん僕はスタッフに要求もするし、マシンに何が足りないかも伝えていく。けれども最終的には、コース上で自分のやるべきことをこなすだけだ」と語っている。