また、昨年開幕戦を制したaprは、ZVW50型プリウスをベースとしたTOYOTA PRIUS apr GTを投入。岡山合同テストの初日は総合トップとなるタイムを記録しており、ドライバーの中山雄一も「プリウスの良さも残りつつも、今まで少し嫌だなと感じていた部分が改善されています」とマシンの手応えを語った。
しかし、AUTOBACS RACING TEAM AGURIの土屋圭市エグゼクティブ・アドバイザーは「(合同テストでは)どこも三味線を弾いている。プリウスもランボルギーニも実力を隠しているはずなので、どれくらいの速さなのか興味がある」とコメント。合同テストでは手の内を隠すことが定石となっているだけに、各チームが持つ真の実力への警戒感と期待感を示した。そのARTAは今季、マシンをBMW M6 GT3へスイッチ。しかし、今回の開幕戦はタイヤの面で厳しい戦いを強いられることになりそうだと土屋アドバイザー。
冒頭でも触れたとおり、ウラカンGT3をはじめとする新型GT3勢はGT500に迫る直線スピードを発揮しており、昨年以上のハイスピードバトルが繰り広げられることは間違いない。また、GT300のスピードが速くなったことで、GT500クラスの“抜かせ方”にも、さらなる技術が必要となる可能性もあり、GT500と絡んだ結果、セーフティカーが導入されることもあるかもしれない。そうなれば、マシンやドライバーの速さだけでなく、チームの総合力も勝敗を分ける鍵となってくる。さらに、今年からタイヤをヨコハマからダンロップへ変更したHitotsuyama Audi R8 LMSを警戒する声も聞こえており、タイヤ開発競争の激化も予想される。今年のGT300はあらゆる意味でアツいバトルが繰り広げられることになりそうだ。