ニスモは4月6日、5月26~29日に開催されるニュルブルクリンク24時間に、2台のニッサンGT-RニスモGT3を投入すると発表した。
近年アウディやBMW、アストンマーチン等がワークス体制でGT3カーを送り込むほか、地元の強豪チームにより熾烈な総合優勝争いが展開されているニュルブルクリンク24時間。2015年はニッサンGTアカデミー・チームRJNが1台、シュルツ・モータースポーツから1台と2台のGT-R GT3が挑み、星野一樹/ミハエル・クルム/ルーカス・オルドネス/アレックス・バンコム組の35号車RJNが、強豪相手にシングルフィニッシュとなる9位を獲得していた。
今シーズンに向けニッサン/ニスモは、ニュル24時間に挑戦することは明らかにしていたものの、詳しい参戦台数等は発表していなかった。6日、ニスモはRJNから1台、さらに今季からカスタマーチームとなった古豪ザクスピードから1台と、合計2台のニッサンGT-RニスモGT3が参戦すると発表した。
ドライバーラインアップについては、まず1名が発表された。昨年までスーパーGT500クラスに参戦していたミハエル・クルムが、昨年に続いてステアリングを握る。「ニュルでニッサンGT-RニスモGT3のステアリングをふたたび握るのを楽しみにしているよ。とてもチャレンジングなニュルでバトルできるのは、レーシングドライバーにとって素晴らしい機会だ」とクルム。
「去年はいい走りで9位に入ることができた。GT3カテゴリーの戦いは引き続き厳しいものになると思うけど、GT-Rの競争力には自信がある。昨シーズン、日本とヨーロッパでチャンピオンを獲得したGT-Rは、今年もすでにオーストラリアのバサーストとアメリカのワールドチャレンジで表彰台を獲得しているからね」
クルムが言うとおり、今季ニッサンGT-RニスモGT3は2015年モデルながら、世界各地で16年モデルのライバルに対しても高いポテンシャルを維持しており、大いに期待がかかる。また、昨年は事前のVLNでのアクシデントの影響もあり、調整でパワーを大幅に絞られていたなかでの9位だった。今季、ライバルと戦えるBoPならば、総合優勝を狙うことも可能だろう。
「ニュルブルクリンクは世界で最も難しいコースのひとつであり、そこでの24時間レースは大きなチャレンジだ。世界中から150台以上、ほぼすべてのメーカーのマシンがエントリーするという事実が、このイベントの魅力を象徴している」と新グローバルモータースポーツダイレクターのマイケル・カルカモは語る。
「昨年はアジアメーカー製のGT3として、史上最上位の9位でフィニッシュすることができた。今年はさらに上位を狙う。ニュルでの経験が豊富なザクスピードをカスタマーチームに迎えたことで、我々のプログラムはより強固なものになるだろう。彼らとともに仕事ができることを楽しみにしている」
なお、シュルツ・モータースポーツは今季、GT-R GT3を四駆化したスペシャルマシンでSP8Tクラスに参戦する予定だ。