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不倫相手に別れを告げたら「自殺予告」...弁護士に聞く「不倫の正しい終わらせ方」

2016年04月07日 10:22  弁護士ドットコム

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配偶者の目を盗んで、ひそかに逢瀬を重ねた甘い日々。そんな不倫関係にあった2人も、どちらか一方が夢からさめれば、きわめて現実的な「後処理」が待っています。離婚問題に発展したり、相手の配偶者から慰謝料を請求されることもあれば、あんなに甘い言葉をささやいていた相手の口から「あんたの奥さん、子供死ね」と言われることも・・・。


「弁護士ドットコムライフ」では、これまで多くの慰謝料請求、離婚問題について、記事にしてきましたが、今回お送りするのは、正しい「不倫の終わらせ方」です。弁護士ドットコムの法律相談コーナーには、不倫関係を清算しようとしたものの、相手から思わぬ反撃をうけた方からの相談が数多く寄せられています。


・和夫さん(仮名)からの相談


「不倫相手と別れたいのですが、自殺や私の家庭に対するいやがらせなど、何をしてくるかわかりません。これまで、自殺予告や『あんたの奥さん、子供死ね』というメール、家に帰さないで車の中に閉じ込めるなどの行為を受けました」


・綾子さん(仮名)からの相談


「3年付き合ってる未婚の不倫相手がいました。春に2人の間で溝が出来始め、別れ話をするようになりました。彼は嫌がり、ストーカーを始めるようになりました。なかなか別れられないでいましたが、ストーカー(彼の家に警察がきた事もあります)を始めて3ヵ月すぎて、彼は上司に事情をバラしました。不倫をバラしたことについて慰謝料を取れますか?」


既婚者と不適切な関係をもったのが全ての元凶とはいえ、当事者の方々が平穏な日々を取り戻すことはできるのでしょうか? 正しい不倫の終わらせ方について、小澤 和彦弁護士に話を聞きました。


A. 「きっぱりと、何と言われても別れると宣言してください」


不倫相手と別れるというのは、離婚とは異なり、離婚届けなどの特別な手続きが必要なわけではありません。極端な話、別れると決めたら、もうその日から、一切の連絡を絶ちさえすればよいのです。相手から「別れるなら自殺する」、「家族にばらしてやる」、「職場の上司に言いつける」などと言われているために、それが怖くて実行できないだけです。


ですが、本当に別れるということであれば、「相手が手首を切るかもしれない」、「家族にばれるかもしれない」、ということを覚悟の上で、きっぱりと、何と言われても別れると宣言してください。相手が「自殺する」などと言っているのが、ただ別れたくないからなのか本気なのかはわかりませんが、とにかく宣言するしかありません。


「別れるなら慰謝料払え」と言われるのでは、と不安に思うかもしれません。しかし、そもそも不倫という形での交際関係は社会的に許されませんので、法律の保護を受けません。


したがって、相手が不倫であることを分かった上で交際していたなら、別れるための慰謝料などを支払う義務はありません。しかし、お金さえ払えば穏便に別れられそうなら、額にもよりますが、きちんとした合意書を交わした上で支払うという解決方法も検討した方がいいかもしれません。


また、別れた後に、不倫相手から、家族や職場に不倫関係にあったことをばらされる可能性もあり得るでしょう。しかし、職場の人などの第三者に不倫の事実を公表する行為は、たとえ事実であっても、名誉棄損にあたります。万が一第三者に話された場合は、相手に慰謝料を請求することができます。


とはいえ、双方が不倫と分かった上で関係を持っていたということは、あなたにも責任があります。にもかかわらず、「誘惑された」などとまるで自分には責任がないような態度をとったり、きちんとした話し合いをせずにフェードアウトしようとすると、相手はカチンときます。


「不倫関係になったことについては自分にも責任があるとわかっており、申し訳ないのだが・・・」と、誠実な態度で別れ話を切り出すべきでしょう。




【取材協力弁護士】
小澤 和彦(おざわ・かずひこ)弁護士
第二東京弁護士会多摩支部 両性の平等委員会委員、東京都西東京市男女平等参画推進委員会委員。
事務所名:弁護士法人東京多摩法律事務所
事務所URL:http://www.tokyotama-lawfirm.com