F1から各チームに2016年に支払われるプライズマネーのおおよその金額が明らかになり、フェラーリは2015年にコンストラクターズ2位だったにもかかわらず、他のどのチームよりも多額の支払いを受けることが分かった。
フォーミュラワン・マネジメント(FOM)は開催料金、放送権料、コースのスポンサーやホスピタリティなどから得た収入の中から、各チームに分配金を支払っている。FOMは収益をおよそ35:65の割合で自身とチームの間で分けており、2020年までのチームごとの契約に基づいてそれぞれに分配する。
英AUTOSPORTが入手した情報によると、FOMの2015年の売上高は約19億ドル、実質的な収益は約14億ドルであると推定される。そこからチーム側に渡る額はおよそ9億6,500万ドルになるという。昨年参戦した10チームは、今年4月から9カ月にわたり毎月支払いを受け、最終的な収入額が集計された後に2017年序盤に最後の支払いが行われる。
過去3年中2回の順位に基づき“コラム1”の支払いが行われ、これに関しては全チームに均等に3,350万ドルが分配される。“コラム2”はランキング1位から10位まで順位によって受け取るパーセンテージが変わり、たとえば1位は19パーセント、6位は10パーセント、10位は4パーセントという割合で計算される。
これに加えてコンストラクターズ・チャンピオンシップ・ボーナス(CCB)もあり、これは他とは別の契約によりフェラーリ、メルセデス、レッドブル、マクラーレンの4チームにのみ与えられる。
その他にも長期参戦してきたフェラーリ、伝統あるチーム、ウイリアムズにボーナスが与えられる。さらにレッドブルは現在の協定に最初に契約したチームとして追加ボーナスを受け取っており、2年連続タイトル獲得という目標を達成したメルセデスにも今年からボーナスを支払われる。
これらを合計するとフェラーリは、昨年より3,300万ドル高額の1億9,200万ドル、つまり全チームに支払われる額の約20パーセントを受け取ることになる。内訳はパフォーマンスに基づくものが8,700万ドル、長期参戦およびCCBによるボーナスが1億500万ドルで、後者の方が圧倒的に多いことになる。
2015年に19戦中16戦で優勝しダブルタイトルを獲得したメルセデスが受け取る額は、3勝に終わったフェラーリより少ない1億7,100万ドルにとどまった。
ランキング4位のレッドブルは3位のウイリアムズより高額のプライズマネーを受け取っている。またランキング9位に終わったマクラーレン・ホンダは特別ボーナスのおかげで、全体の5番目となる額の支払いを受ける。
ランキング9位のマクラーレンの8,200万ドルに対して5位のフォース・インディアは6,700万ドル、8位ザウバーは5,400万ドルしか受け取ることができない。
昨年9月、フォース・インディアとザウバーはF1の収入分配と規則の策定が不公平かつ違法であるとして、欧州連合の競争委員会に正式な訴えを起こした。F1商業権所有者のバーニー・エクレストンは、分配金の規定に関して欧州連合と話し合いを行っていることを認めている。