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関ジャニ∞、NEWS、Hey! Say! JUMP…「グループの良さ」を引き出した秀逸MVとは?

2016年04月07日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 幅広い才能で様々な活躍を見せるジャニーズメンバーたち。TVドラマ、バラエティ、映画、舞台、コンサートなど、あらゆるコンテンツを通して、見るものを楽しませてくれる。その中で今回注目したいのは、MVだ。最近のMVは非常に凝った作りになっており、単に歌に合わせて踊るだけでなく、ドラマ仕立てになっていたり、企画が盛り込まれていたりと、グループらしさがよく表れていることが多い。今回は、ファンの間で話題を呼んだMVをご紹介したいと思う。


(関連:関ジャニ∞は、ジャニーズきってのお茶の間アイドル? 『Mステ』パフォーマンスの見どころを探る


■キャンジャニ∞「CANDY MY LOVE」


 モバイルゲームアプリ『キャンディークラッシュソーダ』のCMから生まれた、関ジャニ∞扮するガールズユニット・キャンジャニ∞のデビューシングル『CANDY MY LOVE』。発売当初はかなり話題になり、多くのメディアに取り上げられていた。そのMVは女子高生のコスプレをしたメンバーたちが、アイドル歌謡曲を歌うというものだ。“女装”という手段はジャニーズの中で珍しくないが、このMVが高評価を得たのはクオリティの高さと本気度にあると思う。メンバー全員が大真面目に女装をしており、しかも一人ひとりの完成度が高い。この美しさは、30歳を過ぎた男性が女装をして、なかなか出せるものではない。しかし、全員真面目に女装をしているにも関わらず、関ジャニ∞が持つコミカルさが滲み出ているのが、いかにも彼ららしい。それがマイナス要素になっているのではなく、良いスパイスとなり、MVの中の「関ジャニ∞らしさ」を創り出しているのだ。キャピキャピした女性アイドル的な作りではなく、クラシカルな雰囲気に作り上げているシュールさも彼ららしさにマッチしており、評価を上げた一因であろう。


■NEWS「KAGUYA」


 これまでどちらかというと、「健全なカッコよさ」を全面に押し出していたNEWS。ワチャワチャしたグループの雰囲気も相まって、どこかまだ少年っぽさがあったように思う。しかし、17枚目のシングル曲「KAGUYA」のMVは大人の色気がたっぷり詰まっている。それは演出を手掛けた、写真家・蜷川実花の手腕に寄るところも大きいのではないだろうか。MVを一目見た瞬間、「蜷川実花だ」と分かるほど艶やかで鮮やかな色彩美が繰り広げられており、そこに和のテイストが加わることでNEWSの大人の色気が引き出されているのである。それは、蜷川の持ち味が生かされたとともに、彼女が徹底的にファン目線に立って演出をしたことで実現できたのだと思う。実際、蜷川は「PVとしての完成度よりも、どれだけグッとくるかということに執着した」「みんな(ファン)と萌えポイントは一緒だと思ってやってる」と『音楽の時間 ~MUSIC HOUR~』(フジテレビ系)で、同映像に関してコメントしていた。少年から大人へと成長したNEWSと蜷川実花の掛け算により、新しい可能性が示されたMVである。


■Hey! Say! JUMP「キミアトラクション」


 NEWSの「KAGUYA」と真逆の魅力を見ることができるのが、Hey! Say! JUMPの「キミアトラクション」のMVだ。セットにも衣装にもパステルカラーが使われており、“不思議の国のアリス”と“シンデレラ”をMIXしたおとぎの世界がMVのコンセプトとなっている。例えば、メンバー全員が横一列でトランプをしたり、ティータイムを楽しんでいるシーンが“不思議の国のアリス”、メンバーがそれぞれハイヒールを手に取っているシーンが“シンデレラ”と、とてもわかり易い演出がされているのもポイントではないだろうか。パステルカラー、ティータイム、トランプ、ハイヒールなど女性が好きなモノがポップに詰め込まれている世界感に、Hey! Say! JUMP扮する王子様が加わることで、女性ファンを虜にするMVになっているというわけだ。さらに間奏の「君がNo.1」というセリフも、メンバーそれぞれの個性あふれる「カッコイイ」が表現されており、カワイイとカッコイイがミックスされた最近のHey! Say! JUMPらしさを楽しむことができるのである。


 このようにMVを見ると、そのグループの良さが非常に分かりやすい。コンスタントに新曲を発表し続ける彼らのMVをきっかけとして、各グループに興味を持つことが今後ますます増えていくかもしれない。(高橋梓)