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寺嶋由芙、浦えりか、大森望が考える“中年アイドルファン”にオススメのアイドル現場

2016年04月06日 17:01  リアルサウンド

リアルサウンド

左から浦えりか、大森望氏、寺嶋由芙(写真=フチザキ)

 ディスクユニオンが運営する書店・ブックユニオンによるライブ・トークイベントシリーズ『ブクドル・ユニオン』第6回が3月17日、dues新宿で開催された。


(参考:「死んだら推しに戒名をつけて欲しい…」 中高年向けアイドルレクチャー本の実用性を読み解く


 アイドル専門ライターの岡島紳士氏をディレクターに迎え、アイドルや音楽、本と関連した企画を展開している同イベント。今回は、50代になって突如アイドルにハマったSF評論家・翻訳家の大森望氏による『50代からのアイドル入門』をフィーチャーした。登壇したのは、寺嶋由芙、男装アイドルユニット「風男塾」のメンバー・青明寺浦正として活動中の浦えりか。共にアイドル好きアイドルとしても知られる2人だ。さらに、著者の大森とMCの岡島が加わり、「中年のアイドルファン」について、それぞれの立場から語り合った。


 イベント冒頭、岡島氏は寺嶋、浦をイベントに招いた理由について「アイドルの話が出来る“アイドルオタクアイドル”の人を呼びたいと思って浮かんだのがこの2人」と説明。寺嶋は『50代からのアイドル入門』を読んだ感想として「在宅のおじさんって結構いると思うし、これを読んで『TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)』などの対バンイベントにもっと来るといいな」と話すと、浦は「対バンイベント」というワードに反応。「スタンディングじゃなくてもっと席のある対バンイベントを増やして欲しいですよね。もう辛いんですよ!」と意見し、岡島氏が「なんで浦さん中高年側なんですか。アイドル側でしょ」とツッコみ、観客の笑いを誘った。


 次に岡島氏が「中高年はSNSをどう使えばいいんですか?」と質問すると、大森氏は「Twitterをやってる中高年は多いんじゃないですか」とコメントし、寺嶋に対して「Twitterの使いこなしがすごいですよね。こまめなファボ(いいね)とか」と話すと、寺嶋は「基本、営業ファボですよ。でも、ライブを観てツイートしてくれた人にファボをすると、アイドルから通知がくることに慣れていない人が飛びついてくれたりして。『へん! ちょろいぜ!』って思います」と笑顔で話し、会場が大いに沸いた。Twitterに関しての話は続き、浦は「よくオタクがスラッシュを付けてつぶやくじゃないですか(例:浦/え/り/か)。全部(サーチに)引っかかりますから! これを1年ぐらい言ってるんですけど、まだやってる子がいて、情弱って可哀想だなって」と厳しいコメントを残した。


 イベント中盤、岡島氏が大森氏に「ご家族は大森さんのオタ活をどういう風に見てるんですか?」と質問すると、「普通にライブに行く時は言いますけど、個別握手(特設サイトで事前受付をし、特定のメンバー1人と握手をするイベント。ライブは行わない)はさすがに言いにくくて……」と明かすと会場に共感の笑いが起きた。小学生の娘を乃木坂46のライブに連れていったことがあると話す大森氏に対し、岡島氏が「娘さんがアイドルになりたいといったらどうするんですか?」と質問すると、「(娘は)アイドルに全然興味ないけど、カラオケで歌うのは好きなんですよ。もしかしたらと思って、ひとりごとみたいに、『そういえば、いまやってるモーニング娘。のオーディションって、10歳から受けられるんだよね……』とか言ったりして」と明かし、会場には驚きの声が上がった。


 イベント終盤では、「今、ハロー!プロジェクトの中で誰が一番好きか」という話題に。まず、道重さゆみ推しであった大森は、長考しながらも「いまのモーニング娘。'16だと、ふくちゃん(譜久村聖)ですかね……。最近だったら石田亜佑美と小田さくらのだーさくペアが熱い」とコメント。浦は、「モーニング娘。10期のお披露目の時に脚が綺麗だった飯窪春菜ちゃんに愛着が湧いて、それからずっと推しています。あとは、石田亜佑美ちゃんは自分の(グループカラー)青と一緒なので」と熱く語った。最後に寺嶋は「私は℃-uteの(矢島)舞美ちゃんが好きです。本当にいいですよね……。美しいし、まつ毛の上がり具合とあごが好きなんですよ。モーニング娘。では安倍なつみさんを見ていて。なっちが卒業してからは久住小春ちゃんが『爆発的だ』と思ってすごい好きでした」と浦に勝るとも劣らない熱量で語った。


 岡島氏が「ハロー!以外で中高年にオススメの現場は?」と質問すると、寺嶋は間髪入れず「Dorothy Little Happy!」と叫んだ。寺嶋は続けてドロシーについて、「中高年率高いですよ。それはメンバーさんも言ってたんですけど、今は特に多い。以前よりさらに仙台に密着して頑張ってるから、昔から観てるお父さんみたいなおじさんオタがすごい応援している」と説明した。次に浦はオススメの現場に「さくら学院」を勧め、理由に「基本ホールで座って見れるんですよ。さくらはサイリウムではなくフラッグを振ればいいだけで、本当に老体に優しい。さくらは質のいい学芸会を見せてもらってありがとうございますみたいな、父兄のような気持ちになれるんです」と再び熱く語った。さくら学院を勧める浦に対して寺嶋が「あとはおじさんにオススメなのはアイドルネッサンスだと思います。本当に健やかな感じで、何も辛くない。全部が美しい。さ学が好きなら好きだと思います」と勧めた。


 ライブパートでは、寺嶋が1曲目に「好きがはじまる」を披露。イベントのテーマを考え「ふへへへへへへへ大作戦」や岡村靖幸の「だいすき」といった“おじさん”が反応する楽曲をパフォーマンスし、大森が道重さゆみにハマるきっかけになったというモーニング娘。の「歩いてる」をカバーした。


 同書は、アイドルオタクへのレクチャーやコラム、ライブレポート、アイドルオタクとして知られるタワーレコード代表取締役の嶺脇育夫社長との対談を掲載している。“大人のためのアイドル入門書”を手にし、アイドルの現場に足を運んでみてはどうだろうか。


(渡辺彰浩)