メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、ふたりのドライバーがこの2戦、スムーズなスタートを切れずにいる原因はクラッチのハードウェアに問題があるからだとの見解を示した。
ハミルトンは今年2戦ともポールポジションを獲得しながらスタートで遅れ、優勝を逃した。ハミルトンは2回の失敗について「メルボルンではひどいホイールスピンが起きた。今回は適切な形で発進させることができなかった。それは僕の問題だ」と述べたものの、「次のレースに向けて解決する。大きな問題にはならないだろう。プロセス全体にどう対処するかで、全面的に僕の過失というわけではない。でも究極的には僕のリアクションの問題で、それが今日タイムロスにつながった」とも発言、自分のミス以外の要因もあることをほのめかしていた。
ウォルフはメルセデスのクラッチのハードウェアに問題があると考えている。
「コントロールエレクトロニクスの問題というよりもハードウェアの問題であるとの考えに至りつつある。そういう問題は1戦で解決することはできない」とウォルフが述べたとSky Sportsが伝えた。
ハミルトンの指の問題かと聞かれたウォルフは「それよりランダムだと思う」と答えた。
「ニコ(・ロズベルグ)のフォーメイションラップでのスタートを見ると、彼はミスをして2速を選び、アンチストールに入った。こういうことが起こり得るのだ。それこそレギュレーションを変更する目的だった」
昨年ベルギーGPからレーススタート時のドライバーへのサポートが厳しく限定され、バイトポイント変更やドライバーへの無線が制限されたが、今年からはドライバーたちは発進の際にクラッチパドルをひとつだけしか使えなくなった。
メルセデスは問題を解決するため親会社のダイムラーと共に新たなクラッチのソリューションについて研究し始めている。しかしウォルフは、次の中国までに問題を解決するのは難しいと考えている。
「解決のために動いている。クラッチの評価、測定、調査の方法、最適化するためにドライバーたちがどう使用すればいいかといったことを研究している」
「だがダイムラーとの協力作業は主に、ハードウェアの最適化であり、それには少し時間がかかる。いつ結果が出るのか、はっきりとは分からない」