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中国GPで「タイム合算方式」予選を導入か、今週木曜に採決

2016年04月05日 06:31  AUTOSPORT web

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2016年F1第2戦バーレーンGP 予選 セバスチャン・ベッテル
次の中国GPでの導入を目指して、新たに「タイム合算方式」の予選システムが検討されているようだ。
 このアイデアは、バーレーンGPの決勝を前にサクヒールのパドックで行われた会議で提案された。90分間に及んだこの話し合いには、FIA会長ジャン・トッド、バーニー・エクレストン、全チームの代表者、ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーが出席していた。

 チームはこの予選方式の提案を持ち帰って検討し、今週木曜日に予定されている電話会議で採決を行うことになるという。
 新提案の内容は、基本的なフォーマットは2015年の予選システムと同様としながら、ドライバーはQ1からQ3までの各セクションで2回ずつタイムアタックを行い、その合算タイムで順位を決めるというものだ。

「たがいに歩み寄った案だ。全チームがいったん持ち帰って、じっくり検討することになる」と、レッドブルのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは述べた。

「現在の(ノックアウト)方式が気に入っている者はいない。その意味において、この案は正しい方向への一歩だ。少なくとも基本的なフォーマットは、チーム側が望んでいた2015年までの方式と同じだが、各ドライバーが2回ずつ予選タイムを記録し、その合算タイムが採用されるという要素が加わった」

 この新提案は、今季最初の2つのグランプリで試されたノックアウト方式を続けるよりは、はるかに良い選択と受け止められているようだ。実際、ノックアウト方式は激しい批判を浴びており、日曜の会議の出席者のなかにも、継続を望む者はひとりもいなかったという。

 また、Q1とQ2を現方式のままとして、Q3を2015年までのやり方に戻すという折衷案もあらためて議論されたが、これを支持した参加者は少なかった。チームとしては旧方式が復活すればそれで満足だったようだが、何も変えずに元に戻すという選択はトッドとエクレストンによって拒絶された。

 日曜の「長時間に及んだ建設的な議論」で提案された合算方式は、それぞれの考えに配慮した妥協点と見ることができる。この方式であれば、2006年から2015年まで特に問題なく行われてきた旧予選方式の大枠が維持されるだけでなく、ドライバーが2回のアタックのいずれかでミスをすれば合算タイムでの順位は下がり、ある程度の「不確定性」も加えることができる。

 タイヤのセット数が現行ルールのままで足りるのかという疑問はあるものの、これに関してピレリは、現状のセット数でも十分に対応できると考えているようだ。実際、各ドライバーに割り当てられたタイヤは特定のレースでの使用を前提としてタグで識別されており、ピレリはグランプリの週末を終えた時点で、多数の未使用セットの廃棄を強いられている。

 したがって、チームが現在のタイヤの割り当てを週末を通じてうまく使えば、追加セットを供給しなくても新しい「タイム合算方式」は機能するというのがピレリの考えだ。とはいえ、もちろんタイヤに関する問題も、木曜日までの検討と議論のテーマのひとつにはなるだろう。