F1第2戦バーレーンGPの決勝でトップ10入りを果たしたドライバーたちが、レースを振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 決勝=1位
最高の週末だね! 今すべてがうまくいっているからすごくハッピーだ。もちろん勝利のカギはスタートだった。あの瞬間、ものすごく嬉しかった。決勝前、対策にかなり力を入れていた部分だったから。
正直言って、ターン1にトップで入っていくことができてほっとした。後方が慌ただしい展開になっているのがミラーで見えた。その後は、ペースをコントロールし、優勝をつかむことができた。
戦略面では慎重に行く必要があった。最速の選択肢ではなかったかもしれないけど、セーフティカーの可能性をカバーしたかった。
ほぼ完ぺきな週末だった。予選だけはあともう少しうまくやれたかもしれないけどね。シーズンを最高の形でスタートできた。素晴らしいマシンを用意してくれたファクトリーの皆に心から感謝したいよ!
次の中国を楽しみにしている。初優勝の地だから、ポジティブなエネルギーをたっぷり蓄えて中国に向かう。
キミ(・ライコネンは)レースで速かったね。フェラーリとの差がかなり小さいことは分かっている。だから努力し続けなければ。彼らはまだポテンシャルをフルに見せてはいない。不運な出来事がたくさん起きているからだ。真のフェラーリを僕らはまだ見ていない。強力に挑んでくるから、注意する必要がある。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=2位
スタートは理想的だったとはいえない。でも1周目に大幅に順位を落とすことはなかったのでラッキーだった。その後は挽回に努めた。何台かオーバーテイクすることができたし、正しいタイヤ選択をして、ピットストップもうまくいった。速さもあった。
終盤、前のメルセデスに少し追いついてきたけれど、ニコ(・ロズベルグ)に仕掛けられるほどは近づけなかった。
1周目のことを考えれば、とてもいいリザルトだと思う。望んでいる結果ではないけれど、改善するために努力し続けている。正しい方向に進んでいるが、1台しか完走できないというのはチームにとって理想的な状況とはいえない。このスポーツでは常に限界までプッシュしているから、物事がうまくいかない場合もある。そういうことは望んではいないが、それもレースの一部なんだ。
このマシンがとても優れていることは分かっている。でも改善すべき点があるのも、やるべき仕事があるのも確かだ。
(レース後の記者会見で、スタートがもっとうまくいっていればロズベルグと戦えたのではと聞かれ)それを予想するのは不可能だ。確かにひどいスタートだったけどね。何か問題があったのか、僕がミスをしたのか、はっきりしたことは分からない。ホイールスピンが起きた。
2番手に上がった時には、ストレート1本分の差をニコにつけられていた。そこから追いつくのは難しかった。でもできる限りのことはしたし、速さもあった。ただ優勝するには十分でなかった。今日は2位をつかんだから、これからさらに上を目指す。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=3位
いいスタートができなかった。でも前回ほど悪くはなかったよ。ふたつの状況は全く違う。両方とも胸が痛む出来事だけど、今回の方がよりきつかったかもね! メルボルンではひどいホイールスピンが起きた。今回は適切な形で発進させることができなかった。それは僕の問題だ。
ポールポジションからすぐに順位を落とすと連鎖反応が起きる。後方から接触される可能性も高く、ついてないことにターン1でそれが起きた。それでもなんとか順位を挽回し、少なくともポイントを取ることはできた。今回もうまくダメージを最小限に抑えたといっていいだろう。
あの状況なら完走できずに終わってもおかしくないから、これ以上ポイントを取り損ねることがなくてよかった。マシンにかなりダメージがあり、キミ(・ライコネン)についていくことができなかった。必死に戦い、やれる限りのことをやった。でも彼をつかまえるには十分じゃなかった。だから終盤はセーフティカーが出動する場合に備えてタイヤをセーブすることに専念するほかなかった。
今週末来てくれたファンの皆に感謝したい。熱心に応援してもらったし、温かく歓迎してもらった。来年戻って来るのが楽しみだよ。
次の中国までバトルはお預け。でも中国のコースとは長年相性がいいから、次に少し状況が僕に有利な方向に変わってくるといいね。
(スタート失敗について聞かれ)最初(オーストラリアでの失敗)はクラッチが関係している。2回目は他のことで、問題ない。次のレースに向けて解決する。大きな問題にはならないだろう。プロセス全体にどう対処するかで、全面的に僕の過失というわけではない。でも究極的には僕のリアクションの問題で、それが今日タイムロスにつながった。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=4位
面白いスタートだったね。発進があまりうまくいかなかったので、ターン1入口がカオスになっているのが見えた。これを利用してやろうと思ったら、(バルテリ・)ボッタスと当たって、フロントウイングにダメージを受けてしまった。結構大きなパーツが落ちたみたいだったので、ウイング交換のためにピットに戻らなければならないと最初は思ったが、数周走り続けて、ウイリアムズと戦うことができた。
結局はダメージの影響はそれほど大きくなくて、いいレースができた。終盤は単独走行だったけど、たくさんポイントを稼ぐことができてよかったよ。
■ハースF1チーム
ロマン・グロージャン 決勝=5位
まさにアメリカンドリームだ。信じられないよ。オーストラリアで6位を獲得した後、あまり期待しすぎてはいけないと僕は言ったけど、ここでは5位だ。これからもっと改善していける点がたくさんある。ピットストップ、マシンのセットアップをはじめとしてね。でも今はこの結果をチームの皆に捧げたい。昨夜彼らの顔を見たら、皆疲れ果てていた。膨大な作業をしてきたからだ。この結果がいいお返しになるといいね。でもまだ信じられないよ。
決勝中、マシンの感触はよかった。アグレッシブな戦略で走ったが、僕は昔からタイヤをうまく管理して走るのが得意なんだ。このコースでソフト寄りのコンパウンドを使えるのを喜んでいた。セットアップがスーパーソフトでうまく機能したのでいいレースができた。このマシンの基礎は素晴らしい。すべてがうまくいっている。まさかドライバー選手権で5位になれるとは思いもしなかった。キャリア初のことだよ。本当に信じられない。
オーストラリアの6位は多少運に助けられた部分もあったけど、今回は普通のレースで5位だ。まったくすごすぎるよ。
僕らにとってはスーパーソフトで行くのが一番いいと分かっていた。それで新品で3スティント走ったんだ。それを前提にした戦略を立てていた。ウイリアムズ、トロロッソ、レッドブルをオーバーテイクできて楽しかった。いいバトルができた。
■スクーデリア・トロロッソ
マックス・フェルスタッペン 決勝=6位
今日の結果には大満足だよ! 開幕戦から本当にうまく立ち直ってみせたよね。チーム全員が最高の仕事をした。戦略もピットストップも素晴らしかった。タイヤマネジメントを含め、すべて完璧だったよ。マシンは求められる働きをしてくれたし、感触がよかった。すごく速かったしね!
動きの激しいレースで、すごくエンジョイした。6位でフィニッシュできて、最高の形で週末を締めくくることができた。見事な仕事をしてくれたチーム全員に感謝したい。僕らのチームがバーレーンでポイントを獲得したのはこれが初めてだ。今までの記録を変えることができてすごく嬉しい。ここに来る前に言ったとおり、それこそ僕の目標のひとつだったんだ!
■レッドブル・レーシング
ダニール・クビアト 決勝=7位
今日のレースにはとても満足している。序盤は苦労したけれど、グリッドの位置を考えると、レースはうまくいったといっていいだろう。ペースがよくて、いい結果をつかむことができた。嬉しいよ。戦略はうまくいき、チームのおかげでトラフィックを避けることができた。チャンスがあると思った時にはチャレンジできたし、おかげでレースがすごく楽しかった。最初から最後までいいリズムで走れた。上位勢に挑むことができたのもよかった。僕らが得意なサーキットに行ったら、面白いことになりそうだよ。
予選を改善する必要がある。昨日みたいな悲惨な状態に陥らないようにしないと。中国では予選をよくするためにしっかり分析するつもりだ。
ホイール・トゥ・ホイールのバトルがあふれた、とてもいいレースだった。テレビで見ている人にも喜んでもらえたんじゃないかな。そういうバトルに自分も加わることができたからすごく嬉しい。楽観的な気持ちでここを発つことができる。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 決勝=8位
すごくいいスタートを決めて、7番手から2番手に上がった。でも残念ながら2回ストップ戦略は予想していたようにはうまくいかなかった。それにミディアムタイヤでのペースがよくなかった。そのためにソフト側のタイヤを履いているクルマに抜かれ、その後僕らが前に出ることはできなかった。
今週末の序盤にはもっといい結果を期待していたから、期待外れだけれど、ここから学び、中国ではもっといい結果を出したい。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
バルテリ・ボッタス 決勝=9位
今日はもっといい結果を期待していたから9位フィニッシュに終わり少しがっかりしている。最高のスタートを切ったのに、ついてないことにターン1でルイス(・ハミルトン)と接触した。あれでふたりとも最終的に順位を落とす結果になったから残念だ。
僕はドライブスルーペナルティを受け、それが戦略に影響した。そうなると戦うのは難しくなる。さらに、接触でフロントウイングが壊れ、大きなパーツが落ちたことがペースに響いた。
シーズン最初の2戦はあまりうまくいかなかった。でも前向きな気持ちで次のレースに臨み、挽回を果たしたい。
彼を抜こうとしていたわけじゃない。どちらかというと後ろの集団に集中していた。アウトからもインからも抜かれないよう気をつけていて、それでブレーキングを遅らせなければならなかった。以前、慎重に行き過ぎて両側から抜かれてしまったことがあった。
(ペナルティを科されて驚いたかと聞かれ)少し驚いたと言わざるを得ない。でも自分がミラーを見るべきだったのか、ミスを認めるべきなのか、もっとよくチェックしてみる必要があるけど。
(Crash.netに対して語り)よく見てみなければならないが、こういうことは時には起こるものだ。ここのターン1のように入口がタイトだと余計にね。だから(ペナルティを受けたことは)残念だった。
■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
ストフェル・バンドーン 決勝=10位
ほぼ期待していたとおりの結果だ。チャンスを最大限に生かしたと思うから、満足している。
スタートは少し難しかった。デブリがあちこちにちらばっていて、混乱した状態だった。オープニングラップを通してあちこちでバトルが行われていた。
週末の初めの段階からとても自信を持って走れていた。いい仕事ができると思い、とても落ち着いた気持ちでいられた。オペレーション上、何のミスも犯さなかったのもよかった。そういう面にかなり気を配っていたんだ。1ポイント持ち帰ることができたのは、素敵なボーナスだ。
今週末は僕にとって大きなチャンスだった。それを最大限に生かし、自分にどれだけの能力があるかを証明することができた。今は、次に何が起こるかを見ていくだけだ。決めるのは僕ではない。将来が何をもたらしてくれるのか、楽しみにしていく。
(F1iに対して語り)僕はF1ドライバーにふさわしいということを証明できたと思う。12番グリッドからのスタートだったので、1ポイント取れるチャンスは十分あると思っていた。それを成し遂げたんだ。終盤にはバルテリ・ボッタスにかなり近づいていたから、あと1ポイント取れたかもしれない。
勝ったような気分ではないけど、週末の経過にも、最初からいい仕事ができたということにもすごく満足している。決勝スタートに関してはもっとうまくやれたかもしれないが、それ以外はうまくいったと思う。この週末のことは一生忘れない。子どものころからF1ドライバーになることを夢見ていたんだ。それがかなっただけじゃなく、すごくうまくいったんだからね。