F1第2戦バーレーンGP予選では、開幕戦に続いてメルセデスが圧倒的な速さでフロントロウを独占した。しかし、全セッションでトップタイムを築いていたオーストラリアGPとは違い、予選2時間前のフリー走行3回目でトップタイムをマークしていたのは、フェラーリのセバスチャン・ベッテル。2番手にキミ・ライコネンがつけていた。なぜ、予選ではメルセデスがフェラーリを逆転したのか。予選2位のニコ・ロズベルグは、こう分析する。
「フリー走行3回目は昼間の15時に行われて、予選は日没後にスタートした。路面温度の違いが影響したんだと思う」
つまり路面温度が高いときはタイヤに優しいフェラーリが速く、路面温度が低い状態ではダウンフォースがあるメルセデスのほうがタイヤに熱が入りやすかったのではないだろうか。
ただし、これは1発のタイムを競う予選の話。レースも日没後の18時にスタートするが、バーレーンGPは例年、リヤタイヤがオーバーヒートによるデグラデーション(劣化)に悩まされる。したがってタイヤに優しいフェラーリにも挽回の余地はある。
ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは「ピットストップは2回ないし3回になる。だが上位勢のほとんどはレース用にフレッシュタイヤを温存できていないので、そこも興味深いポイントになるだろう」と語っている。
バーレーンGPは、タイヤの使い方がポイントになる。ここのコースは21戦中、一二を争うほどリヤタイヤに厳しいサーキットだからだ。さらに3種類のドライタイヤが投入されるようになってから、初めて金曜日から全セッションをドライコンディションで消化しているため、新品タイヤがほとんど残っておらず、レースでのタイヤの使い方が開幕戦以上に重要となる。
特に重要となりそうなのが、ソフトタイヤの使い方。あるチーム関係者は、こう推測する。
「レースでミディアムは、よほどのことがない限り使えない。3ストップならば、スーパーソフト→スーパーソフト→スーパーソフト→ソフトの組み合わせとなるが、渋滞に引っかかると機能しなくなるため、2ストップがメインとなるだろう。その場合は、スーパーソフト→ソフト→ソフトとつなぐ」
果たしてレースでは、どれだけ多くの戦略が見られ、どれが優勝への解となるのか。日曜日のバーレーン・インターナショナル・サーキットの天気予報は終日、晴れ。降水確率0%、気温はスタート時間の18時の時点で、土曜日と同じ22℃と予想されている。