F1の首脳陣は日曜日にバーレーンで会合を開き、予選フォーマットの最終的な変更案について話し合うことになった。FIA会長ジャン・トッドは、この会議で解決が見られるものと自信を示している。
会議にはトッド、バーニー・エクレストン、全11チームの代表者のほか、ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーも出席する。
「どんな決定に至るにせよ、明日は全会一致で合意が得られるものと楽観的に考えている」と、トッドはバーレーンGPに先立って行われたメディア・ブリーフィングで語った。
今季から導入され、激しい批判を浴びているノックアウト方式を理想的なものにするには、Q1とQ2の時間を延長し、Q3では各ドライバーに1セットのタイヤを追加供給するのが良いと言われている。そのような案であれば、特にQ3に関して、2週間前にオーストラリアで見られたように予選終盤には誰もコースを走っていないという状況は防げると考えられるからだ。
トッドとFIAのレースディレクター、チャーリー・ホワイティングは、メルボルンでの予選セッションで起きたことへの対策として、実際そのような案が出されていたことを認めている。しかし、ピレリの見解は、バーレーンで追加のセットを用意するのは時間的に不可能で、その次の中国GPには必要なタイヤを供給できるというものだった。
「オーストラリアに関して言えば、Q3が残念なものになったことは明らかだ」と、トッドは述べた。
「残念だったと思う理由は、予選終了まで、あと3分という時点でドライバーたちがクルマから降りてしまったことにある。長年F1を見ていても、こんなことは滅多になかった」
「私が最初にとった行動は、チャーリーと電話で話すことだった。Q3に関する問題のひとつは、ドライバーたちが使えるタイヤを持っていなかったことにあると、彼は指摘した。そこで私はチャーリーに、ピレリと相談して、Q3用に追加で1セットのスーパーソフトを供給できるかどうか調べてほしいと頼んだ」
ここでホワイティングが話を引き継ぎ、次のように続けた。
「ピレリからは、バーレーンでは実施できないと言われた。それまでにQ3のタイヤを、もう1セット用意するのは不可能という話だった」
さらにトッドは、こう付け加えた。
「彼らは中国には間に合わせることができるが、追加の費用がかかると言ったそうだ」
しかし、一部のチームが完全に旧方式に戻すことを求めたため、FIAが出した変更案は全会一致で合意できず、今週末のレースでは、トッドの言い方によれば「現状維持」とすることが決まった。
「(バーレーンでの)予選から、さらに学べることもあるはずだ」とトッドは言う。
「私の考えとしては、Q1とQ2はわずかな修正で最適化したい。最大の問題であるQ3に関しては、タイヤの供給数を1セット増やすという方法が考えられる。これによって予選は最後まで見応えのあるものになるはずだ」
「もうひとつの可能性として、Q2で8位だったドライバーがグリーンフラッグと同時にコースに入り、このドライバーがアタックしている間に7位の者がコースに入るという方式も考えている。つまり、コース上で1台ずつ予選タイムの計測を行う形で、そうすれば予選の最終結果が予想しにくくなるだろう。その他にも検討に値するソリューションは、いくつもある」
「いずれにしても、2015年の方式に戻す前に、この新しい予選方式に、もう一度チャンスを与える必要があるというのが私の考えだった」