F1バーレーンGP、4月1日にフリー走行2回目が終了したあとの夜、マクラーレン・ホンダのロン・デニスCEOとフェルナンド・アロンソが、連れ立ってコントロールタワーに入っていった。数十分後に硬い表情で出てきたふたりは、報道陣の問いかけにもノーコメント。F1チームの公式な代表ではないデニスが、ドライバーを連れてFIAに行くというのは、かなり常識外れの行動だ。
翌日チーム関係者が半ば、あきれながら教えてくれた。なんとデニスは、アロンソの欠場を覆そうと直談判に出かけたのだという。もちろんFIA側が要求をまともに聞くはずもなく、引き下がるしかなかった。
フリー走行2回目には、デニスがセッション真っ最中にガレージを出て、ピットウォールにいたレーシングディレクターのエリック・ブーリエに激しく詰め寄る光景が、中継映像で世界中に流された。こちらはバトンの無線交信が聞こえなくなったことを問い詰めに行った模様で、これまたデニスが直接、口出しすることではない。
デニスはその後、ブーリエの隣に座っていたアロンソと議論を始めた。最初は笑顔で聞いていたアロンソが、最後はずいぶん強い口調で何か言っているのが、ガレージ側にいても確認できた。
あくまで想像だが、初日の走行を終えて、ジェンソン・バトン3位という好調ぶりを目の当たりにして、ならばアロンソを無理矢理出場させようと思いついたのではないか。そのとおりだとしたら老害も極まれりという状態だ──。