若者の恋愛・結婚意欲が低下しているといわれる昨今だが、「恋人が欲しいのにできない」「結婚願望はあるのに相手が見つからない」と、意欲があるのにうまくいかないと悩む人も多い。
そんな若者たちの姿が放送されたのは、3月26日の「マツコ会議」(日本テレビ系)。番組が潜入したのは、昼から営業している銀座の「相席カフェ」。出会いを求めて集う男女の恋愛事情がインタビューを通じて伝えられた。(文:みゆくらけん)
「ホントに出会いがない!」とは本当だろうか
初来店だという女性2人組は、26歳と30歳の看護師。2人とも女子力が高めのキレイな外見で、異性に困るような雰囲気は全くしないが、「ホントに出会いがない!」と口を揃える。
マツコが恋愛相手としてイイ医者は身近にいないのかを尋ねると「年配の先生が多くて若い先生がいない」と返し、「閉鎖された空間に(私たちは)閉じ込められていて出会いがない!」と嘆いた。さらにマツコが「患者はどうか」と聞いた瞬間にこう即答。
「マツコさん! 元気な若者は病院には来ません!」
まさに名言である。これにはマツコも爆笑だ。「孤独死を免れたい」と真剣に話す彼女らに、マツコは思わずその場にいた番組スタッフ(ディレクター)を「性格いいよ」と薦めたが、乗り気ではなさそうだった。
続いてインタビューを受けたのは、爽やかな好青年風の26歳の男性。出会いのチャンスがなさ過ぎて来店したという男性は、結婚を真剣に求めている。例の看護師の席に案内された彼だが、2人の女性を前に突然こんなことを言い出してしまう。
「3年前に家を建てたんですけど……。母親と祖父母と一緒に暮らしていて、そういう『家族込み』になるから、なかなか相手が見つからず。入ってくれる人を募集してる」
出会って30秒で「同居」の話をしてしまった彼。おそらく彼はズルいことを考えない正直なイイヤツなのだろう。しかし、自分のウリも伝えぬまま、見切り発車的に同居話をされた彼女らはドン引きだ。
恋愛は「落ちる」もの。考えが老けていては難しい
これにはマツコもたまらず、彼を制止せざるをえなかった。
「タロウ(彼の偽名)! 親と同居の話は、もうちょっと後で言ったほうがイイ! いきなり最初にね、同居条件で入ったら、うまくいくもんもいかなくなる! 交際がスタートして、お互いに結婚を意識したら、そこで言えばいい話だよ!」
その後も、25歳の女性、23歳の女性2人組とインタビューは続いたが、どの人も皆ルックスが良く、コミュニケーション力も問題なさそうだった。マツコが「想像してた以上にガチな人が来てるのね」と驚いたように、出会いを真剣に求めているのだ。
それなのに彼女らは「彼氏できたことがない」「このまま彼氏ができなさそうで老後が不安」と、最初からネガティブだ。出会いを求め、積極的に動く若者が、恋愛できない理由。マツコはそれをこう分析した。
「(若いのに)考え方が老けてる。なんかもう、冷めちゃってるのよね。バカにならないと恋愛なんかできない。(本来)若い頃の恋愛なんか、今考えたら恥ずかしいような愚かなことばかり(なのに)」
確かにマツコのいうように、この相席カフェに集まる若者らは冷静だ。恋愛は狂ってナンボで、「する」のではなく「落ちる」ものなのに、出会いの場に集うある種真面目な彼・彼女らは、恋愛を「しよう」としている。出会いの瞬間にアリかナシかを判断し、恋愛に発展する「過程」を育てようとはしないように見受けられたのである。
「正直男子」の魅力を見落としていないのか
出会いを求めて自分から動くという積極性は、彼・彼女らにはある。要はその一歩先、アリかナシかの決断を早め過ぎることがもったいないのだ。マツコも、結婚できる人とできない人の違いをこう説明した。
「小さなきっかけでも『何が結婚に結びつくか分からない』と思う人か、『そんなん無理でしょ』って言っちゃってるかの差よ」
自己愛ばかりが肥大して、ちょっとしたスペックだけで、すぐに結婚・恋愛相手にふさわしくない人と判断するのは浅はかというものだ。たとえば、患者だって病気が治れば健康な候補になりうるのではないか。出会って30秒で同居希望を言い放った「正直男子」の、心根の良さや魅力を見落としているということはないのか。
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