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2016年スーパーGT第1戦参加条件発表。NSXコンセプト-GTは1049kgに

2016年04月01日 23:01  AUTOSPORT web

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5台のホンダNSXコンセプト-GT
スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、3月28日付けで4月9日~10日に開催される第1戦岡山での参加条件を発表した。GT500クラスのホンダNSXコンセプト-GTの競技車両最低重量は1049Kgとなっている。

 スーパーGTでは、各車ごとに異なる性能を均衡化させるために、毎レース前に参加条件が発表されており、各車それに従い車両重量やエアリストリクター径等を合わせなければならない。GT500クラスでは、唯一ミッドシップレイアウトを採用しているホンダNSXコンセプト-GTのみが参加条件を定められている。

 今シーズンは既報のとおり、NSXコンセプト-GTはハイブリッドユニットを下ろして戦うことになっているが、その重量は1049kgとなった。昨年までは1077kgで、『ハイブリッドシステム重量』としてブルテンに記載されていた数値がそのうち70Kgを占めていた。なお、他2車の最低重量は1020kgだ。

 このウエイト差について、ホンダ勢のドライバーからは「重さが効いている」という声もあり、実際オフテストのタイムで見るとホンダ勢は他2車の後塵を拝している。実際のレースでこの差がどう表れるのかが注目ポイントだろう。

 一方、GT300クラスの参加条件も同時に発表されている。JAF-GT勢では今季2台のZVW5#型TOYOTA PRIUS apr GTが登場するが、興味深いのはハイブリッド重量。31号車と30号車で重量が分かれているが、これは蓄電装置が31号車がキャパシタ、30号車がバッテリーと異なるためだろう。



 また、ブランパンGTシリーズのBoPをもとに定められるGT3カーも参加条件が発表されている。すでに岡山テスト、富士テストと暫定値でテストが行われているが、今回発表された表にはアウディR8 LMS、BMW M6 GT3、ランボルギーニ・ウラカンGT3、フェラーリ488 GT3という新車勢には「暫定とする」というただし書きがついている(メルセデスAMG GT3、ポルシェ911 GT3Rは暫定ではない)。

 特にGT300クラスでは、参加条件の値で大いに戦局が変化することがある。開幕戦岡山の勢力図はいったいどんなものになるだろうか。

2016年スーパーGT 参加条件
I.クラスI(GT500)
対象車種:ホンダNSXコンセプト-GT
参加条件:競技車両最低重量=1049Kg

クラスI(GT500)参加車両については、燃料補給装置流量リストリクター(内径25.0mm)が引き続き適用される。取付位置等については、末項参照。

II.クラスII(GT300)
■JAF-GT300
競技車両最低重量/エアリストリクター径備考 1100kg1150kg1200kg トヨタ・プリウス28.13mm x228.70mm x229.28mm x2HYBRID重量:#30 +73.0kg#31 +51.0kgスバルBRZ41.31mm x142.15mm x143.01mm x1 

*1 JAF国内競技車両規則第3章10.3.2に従った燃料補給装置流量リストリクター(φ33.0mm)が適用される。
*2 ハイブリッド車両についてはGTAが別途指定するデータを提出しなければならない。
*3 最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックに間にスペーサー5mmを装着とする。

■JAF-GT300マザーシャシー
競技車両最低重量エアリストリクター径備考  1個2個トヨタ86 MCロータス・エヴォーラMC 1100kg40.00mm x1 28.54mm x2

*1 JAF国内競技車両規則第3章10.3.2に従った燃料補給装置流量リストリクター(φ33.0mm)が適用される。
*2 最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックに間にスペーサー5mmを装着とする。

■FIA-GT3
競技車両モデル最低重量BoP車両重量エアリス径最低地上高給油リス備考アウディR8 LMS GT3 *3GT3-0381225kg+35kg1260kg38.0mm x2F:65.5mmR:128mm30mmBMW M6 GT3 *3GT3-0431290kg+20kg1310kgnoneF:101mmR:106mm34.5mm過給圧は表参照ランボルギーニ・ウラカンGT3 *3GT3-0401230kg+55kg1285kg38.0mm x2F:65.5mmR:128mm30mmフェラーリ488 GT3 *3GT3-0441260kg+25kg1285kgnoneF:79mmR:104mm32.5mm過給圧は表参照メルセデスベンツAMG GT GT3GT3-0421285kg+10kg1295kg36.0mm x2F:88mmR:96mm33mmポルシェ991 GT3 RGT3-0411220kg+40kg1260kg43.0mm x2F:84mmR:122mm28.5mmニッサンGT-RニスモGT3GT3-0301290kg+25kg1315kg40.0mm x2F:178mmR:130mm34mm過給圧は表参照メルセデスベンツSLS AMG GT3GT3-0281310kg+10kg1320kg36.0mm x2F:82mmR:85mm35mmレクサスRC F GT3GT3-XXX1300kg0kg1300kg72.0mm x1F:188mmR:302mm33mm

*1 FIA-GT3はFIAが指定するディメンションに従った形状を有するエアリストリクターを装着しなければならない。
*2 給油リストリクターの形状は、最少内径を除いて、2016年JAF国内競技車両規則第3章第 10条10.3.2第3-2図「流量リストリクター」の形状を維持しなければならない。
*3 アウディR8 LMS、BMW M6 GT3、ランボルギーニ・ウラカンGT3、フェラーリ488 GT3の車両性能調整は暫定とする。なお、給油リストリクターは上記表内のサイズにて確定。

最大過給圧
【GT3-043 BMW M6 GT3】
エンジン回転数[rpm]最大過給圧[barA]40002.0645002.150002.1355001.9660001.8965001.870001.56≥75001.4

【GT3-044 フェラーリ488 GT3】
エンジン回転数[rpm]最大過給圧[barA]40001.4745001.550001.5355001.6160001.5865001.5670001.54≥75001.44

【GT3-030 ニッサンGT-RニスモGT3】
エンジン回転数[rpm]最大過給圧[barA]4000245001.9850001.9555001.9260001.8965001.87≥70001.85

上記値は1010mbarの大気圧に対する絶対圧とする。
チームは各イベントにおいてGTAが発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。GTAロガーにおいて、アクセル開度>30%、エンジン回転数>3000rpm、進行方向加速度が増加もしくは保持の間の条件において、50ms以上、規定過給上限値より+15mbarを記録した場合、審査委員会に報告される。

III.クラスII(GT500)燃料補給装置流量リストリクターの取付
GT500車両は、ドライバー交代時に確実な作業時間を確保するため、燃料補給装置に追加の流量リストリクターを装着しなければならない。