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アルトワークスでJRC参戦の番場彬、軽さと機動力を武器に王座目指す

2016年04月01日 19:11  AUTOSPORT web

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番場彬(YHGd高崎くす子アルト)
今年の全日本ラリー選手権(JRC)にスズキ・アルトワークスを投入するCUSCOジュニアラリーチーム(CJRT)のドライバーを務める番場彬とイメージガールの『生・高崎くす子ちゃんズ’16』がオートスポーツweb編集部を訪れ、今シーズンへの意気込みを語った。

 CUSCO Racingのジュニアチームとして活動するCUSCOジュニアラリーチームは、これまでもプロトン・サトリアネオなどをJRCに送りこみ、若いドライバーを発掘してきたチームだ。昨年は2014年から休止していた全日本ラリーでの活動を再開。2010年以来に国内ラリーへ復帰した番場とともにトヨタ86でJN4クラスへ参戦した。

 当初はシリーズのターマックイベント6戦のうち3戦のみにスポット参戦する計画だったが、番場がクラスタイトルを争う好走をみせたこともあり、最終的に全6戦へ参戦。しかし、タイトルを賭けた最終戦新城のデイ1でクラッシュがあり、ランキング4位でシーズンを終えることとなった。

 そんなCJRTと番場は今季、マシンを2015年12月に販売が開始された軽自動車『アルトワークス』へスイッチ。JRCのJN1クラスからシリーズ全9戦にエントリーする。今季のJN1クラスは昨年までのJN2クラスに加え、AE車両によって争われる。車種としてはスズキ・スイフトスポーツやマツダ・デミオ、ニッサン・リーフやトヨタ・アクアなどが参戦するクラスだ。

 モータスポーツファンからの注目度も高いアルトワークスは発売開始から間もないこともあり、「おそらく初めてレースを行うチームになる(番場)」という。番場のコドライバーは、開幕戦のみ15年JN4コドライバーチャンピオンの箕作裕子が務めるが、第2戦以降は未定となっている。

 昨年戦ったJN4クラスからJN1クラスへスイッチした理由について、CJRTの松井悠チーム監督は、「昨年の最終戦で起きたクラッシュでトヨタ86が全損になってしまった」ことを理由のひとつにあげた。

「86が完全に廃車となり、今年の体制をどうしようかなというところに『アルトワークスで参戦しないか』という話がありました。今年のレギュレーションでいえば、決して有利なクルマではありません。ただ、軽いボディのターボ車ですから、挑戦してみる価値はあると思いました」


 番場はまだマシンをドライブしていないというが、市販モデルのアルトワークスをドライブした際、軽自動車ならではの軽さと機動力が武器になると感じたという。なお、マシンのシェイクダウンは今週末に筑波で行われるイベント、『ハイパーミーティング』内で実施される予定だ。

「ほかのクルマと比べると最高速では負けてしまいますが、日本のラリーは細かいコーナーが多いので、そういったところで勝負ができるかなと思います。ハイスピードステージでは少し厳しいかもしれませんが、ステージによってはかなりアドバンテージがあると思いますよ」

 いよいよ、来週4月8日に迫ったJRC第1戦ツール・ド・九州2016 in 唐津に向けて、番場は「あるものでベストを尽くすことが目標」と意気込んだ。

「装着できるパーツも限られているなか、用意ができていない部分もあります。間隔が短い1戦目、2戦目は下地作りとして活動して、3戦目以降から上位を目指していきます」

「クルマの(性能)差がかなりありますね。排気量自体も倍以上ありますから。1600ccまでのエンジンを積んでいるクルマが参加できるクラスに、660ccのクルマで挑むのはかなり大変だと思います。クルマの持っているパフォーマンスを最大限に活かすようなセッティングを探しつつ、(CUSCO Racingを運営する)キャロッセさんとパーツ開発を進めていきます」

 そのほか、CJRTはJN2クラスにトヨタ86を投入し、ターマック6戦へ参戦。明治慎太郎、北田稔のコンビでタイトル獲得を目指すほか、全日本ジムカーナ選手権、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ(昨年までのTRDラリーチャレンジ)にも参戦する。そのTGRラリーチャレンジには、ラリー人口拡大の一環として、「生・高崎くす子ちゃんズ’16」からドライバー、コ・ドライバーを選抜して参戦するという試みも行われる。

 昨年、5年ぶりに国内ラリーへ復帰し、クラスタイトルを争う活躍をみせた番場。今年はアルトワークスの開発も並行して行うこととなるが、CJRTのチーム力は高く、またCUSCOブランドを展開するキャロッセのサポートもあり、チームと番場がJN1クラスタイトル候補筆頭であることは間違いない。まずは来週末に迫った開幕戦唐津で、どういった走りをみせるか期待したい。