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SF岡山テスト:2日目午前は雨で9度の赤旗。トップは石浦

2016年04月01日 14:51  AUTOSPORT web

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石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
4月1日、全日本スーパーフォーミュラ選手権の岡山公式合同テストが2日目を迎え、雨のセッションとなった午前は石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が記録した1分31秒038がトップタイムとなっている。

 この日午前の岡山は雨模様。9時30分のセッション開始時点での降りは、強雨ではないが小雨というレベルでもないところで、路面は完全なウエット状態。ヨコハマ製レインタイヤの出番となった。ただ、開始当初は何台かのマシンが状況確認やピットワーク練習のためもあってスリックでコースインしている。2日目の参加は、初日のみでテストを切り上げてF1バーレーンGPに向かったストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を除くレギュラー18名と、前日に続きホンダ・テストカーのステアリングを握る武藤英紀。気温は13~15度、路温は15~17度あたりでの推移だった。

 このセッションは開始から車両回収のための赤旗中断が相次ぎ、約2時間半のセッションで計9回。最後は赤旗で5分ほど残しての終了となっている。コース上の水量はそれほどまでに多くはない印象で、ピットレベルではセッション中盤にほぼ雨がやんだ状態もあったのだが、やはり温度条件がまだ低いためか、ドライバーからはレインタイヤが思うようにグリップを発揮してくれない状況を訴える声も聞かれている。

 車両回収の対象となったのは、順にウィリアム・ブラー(KONDO RACING)、ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)、ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO Team LeMans)、中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、バゲット、山本尚貴(TEAM 無限)、野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、ブラー。速度域が低いこともあり、いずれも大きなマシン損傷にはつながっていないようだった。

 残り1時間となった11時に6回目の赤旗明けで走行が再開されてからしばらくの間が、コンディション的にはもっとも良化した時間帯で、ここで各車にタイム更新が多くみられている。タイムペースを引っ張ったのは石浦。それまでは1分35秒台だった自身および全体の最速タイムを、34秒台、32秒台、そして1分31秒038へと一気に詰めていった。同じ頃、2番手には小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)が上がっているが、石浦とは約4秒差の1分35秒137。終盤は雨が強まるなどしたこともあって、この時間帯のタイムが最終的なセッション上位となり、3番手にはホンダ・テストカーの武藤英紀が1分35秒184でつけた。

 石浦のタイムが突出しているが、彼のタイムでも前日のドライ総合最速タイムと比べると約125%水準。ブリヂストン時代の昨季最終戦鈴鹿でのドライとウエットのタイム比が、ドライが予選でウエットがレースという状況ではあったが約118%だったことを考えると、まだまだ差を議論すべきタイムレベルではないのかもしれないが、それでも、1~2位に4秒というタイム差が出ることはスーパーフォーミュラでは稀だ。鈴鹿テスト時のメディアミーティングにおいてヨコハマのタイヤ開発リーダー・秋山一郎氏が「今季の実戦量産供給とは別に、我々の開発は継続していきます。JRPさん、トヨタさん、ホンダさんに協力いただきながら、来季以降へのアップデートを進めていきたいと思います」と話していたことと併せて考えると、(タイヤとは限らないが)なんらか異なるメニューが組み込まれていた可能性もあると考えられるところ。とはいえ、浜島裕英総監督も就任してCERUMO・INGINGが体制を一層盤石なものにしていること、そして連覇を目指す王者石浦の力量充実ぶりが著しいことが伝わってくるタイムでもあった。

 2日目の午後は今回最終となるセッションがやはり2時間半の予定で、2時から開始される。