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バンドーンのSF挑戦、オリベイラとロッテラーの見方

2016年04月01日 08:01  AUTOSPORT web

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今後のパフォーマンスに自信をみせるストフェル・バンドーン
4月23・24日に開幕を迎える2016年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。昨年のGP2王者であるストフェル・バンドーンが参戦するとあって、例年になく注目を集めている。

 バンドーンは、今週末のF1バーレーンGPでフェルナンド・アロンソの代役として一足早くF1にデビューすることが決まったが、彼と同じ海外出身のスーパーフォーミュラドライバーで、日本のレースの経験では“大先輩”となるジョアオ・パオロ・デ・オリベイラとアンドレ・ロッテラーに、注目のバンドーンについて話を聞くことができた。

 まずはオリベイラ。2005年には全日本F3選手権で7勝を挙げシリーズチャンピオンを獲得し、2007年からフォーミュラ・ニッポンにフル参戦を開始。現在では名門チームインパルのエースとして2010年以来となる自身2度目のタイトル獲得を目指している。
 日本のトップフォーミュラはフル参戦10年目とベテランの域に入っているオリベイラは、1年目から日本での成功を目指すバンドーンにとって、現在のスーパーフォーミュラはそう簡単なものではないと語る。

「スーパーフォーミュラはGP2とは全く異なるカテゴリーだと思う。GP2はF1などのトップカテゴリーにステップアップを目指す若いドライバーたちが集まる場所。2~3年戦えばすぐに別のカテゴリーに行ってしまうから経験が豊富なドライバーが少ない」

「でもスーパーフォーミュラは違う。参戦しているドライバーが素晴らしいキャリアを持っているし、何年もこのカテゴリーに参戦し続けているから、マシンのことも良く知っているし、コースも熟知している。とてもハイレベルなレースだよ。みんなそういったライバルを彼は相手にしなければならないから、1年目から成功するというのはそう簡単なことではないと思うよ」と、慎重な意見。それだけスーパーフォーミュラはGP2と違い、ドライビングパフォーマンスだけでは通用しない部分もあるという意見だ。

 一方、今年で日本のトップフォーミュラ参戦14年目を迎える2011年チャンピオンのロッテラーは、スーパーフォーミュラの魅力とそこに参戦し続ける理由について、次のように語ってくれた。

「このカテゴリーは、ヨーロッパとは違い最初から最後まで全力で攻め続けることができる。素晴らしいクルマ、タイヤ、サーキット。そしてレベルの高いライバルたちが揃っている。常に自分の限界に挑戦することができるんだよ。ヨーロッパはそこまでのことができない。タイヤマネジメントが要求されるし、コーナリングスピードも遅い。常に攻め続けられないし、どこかでマネジメントを要求されるんだ」

 気になるバンドーンについては、オリベイラとは対照的な意見で、「彼は素質があるドライバーだから、きっとうまくやれると思うよ。僕も1年目はナカジマレーシングから参戦して1戦目も2位だったし、年間を通しても良かったからね。きっとシリーズ戦で発揮される彼のパフォーマンスを見て皆も興奮するんじゃないかな。彼の所属しているチームも実績があるから、きっとうまくいくよ」とのこと。実力が発揮できれば1年目からでも上位進出が可能なのではと考えているようだ。

 バンドーンにとっては、今年のスーパーフォーミュラでどこまで結果を残せるかが2017年のF1レギュラーシート獲得にもかかってくる。そのためには国内の有力なドライバーだけではなく、チャンピオン経験があり、かつ日本のコースも熟知しているオリベイラやロッテラーらに打ち勝つ必要がある。

 ふたりともバンドーンに対しての意見は対照的だったが、最も印象的だったのは、両者とも「簡単には勝たせない」という表情をみせていたこと。昨年にも増して激しいバトルが、開幕戦から見られることは間違いないだろう。