元F1ドライバーのマーク・ウエーバーが、2016年F1に導入された新予選システムを批判、当初の決定が覆りこのシステムが第2戦でも継続されることを嘆いた。
ある一定時間を過ぎた後、90秒ごとにひとりずつノックアウトされていく新予選方式が導入されることが今季開幕直前に決まった。しかし初導入された開幕戦オーストラリアGPでは、Q3中盤にタイヤ不足あるいは温存するチームが続出したことでポールポジション争いに早々に決着がつき、セッション残り数分は誰も走る者がいないままチェッカーが降られる事態となった。
F1関係者はこの状況を重く見て、オーストラリアGP日曜日の午前中に全チームの代表とFIAのチャーリー・ホワイティングが緊急会合を開き、バーレーンでは昨年までの方式に戻すことを決めた。しかしそれを正式に決定する会合において全関係者の賛成票が集まらなかったため、一転してバーレーンでも新予選システムが継続されることとなった。バーレーン後、この制度についてより詳細に評価を行い、改めて予選システムについて結論を出すことになる見込みだ。
2002年から2013年までF1で走り、その後WECに転向、同時にF1解説者としても活躍しているウエーバーは、新予選システムが継続されることにショックを受けたかとの問いに「イエス」と答えたとDaily Mailが伝えた。
「メルボルンを発つ段階では、これまでとてもうまくいっていたシステムに戻すという決定が下されており、よかったと思っていたのだが」
「しかしそうはならず、またメルボルンのシステムを使うという。それでは最大限うまくいったとしてもこれまでと同じレベルにも届かないだろう」
「僕が不満に思っているのは、次のセッションに進めるか進めないかというドライバーに焦点を当てる形になっていることだ。こう言っては失礼だけど、ニコ・ヒュルケンベルグ、セルジオ・ペレス、エステバン・グティエレスといったドライバーに注目するのもいいが、同時にトップのドライバーたちがグリッド上位を争って走るラップにも重きを置くべきだ」
「あとコンマ1秒削れるなら、僕はコースに出て行って走りたい。メルボルンでの問題は、タイヤや時間が足りずにドライバーたちが走れなかったことだ」
「今の状況は行きすぎだ。運営上、走行時間を制限される。ドライバーにとっては嬉しいことではない」
ウエーバーは、F1は視聴者に分かりやすい、もっとシンプルなシステムを採用すべきだとも語っている。
「ドライバーたちが一番いいと思う(予選)システムを必ずしも商業権所有者が気に入るとは限らない。僕にとってベストなシステムは4セットのタイヤで1時間走るというものだ。そしてそのタイヤはレースで使う必要もない。最初の15分は誰も走らないという問題もあるが、終盤にはたくさんのマシンが走り、コース上が活気づく」
「あまりにもたくさんの変更が行われてきて、僕らは常にF1について説明し続けなければならない。予選が翌日の決勝に響くような予期せぬ出来事もあり得る、などといったことを説明しなければならないのだ」