映画『PARKS』の製作が発表された。
1917年に開園した東京・吉祥寺の井の頭恩賜公園の100周年を記念して製作される同作。2014年に閉館した映画館・吉祥寺バウスシアターのオーナーである本田拓夫の「吉祥寺と井の頭公園の映画を作りたい」という思いから生まれた作品だ。監督を『5windows』『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の瀬田なつき、音楽監修をトクマルシューゴ、配給宣伝プロデューサーを『爆音映画祭』で知られるboidの樋口泰人が務める。
同作は若い女性2人と男性1人をメインキャラクターに据えた青春映画となり、亡くなった父の遺品から手紙を見つけた主人公が、父の思い出の地である吉祥寺を訪れるところから物語が展開される。父が遺した50年前のオープンリールテープに残っていた未完成の音楽を完成させるため、主人公が様々な人々に会いに行くというあらすじだ。現代と1960年代の井の頭公園が描かれるという。
バウスシアターの閉館前から吉祥寺の映画を製作したいと考えていたという本田は、本日3月31日に東京・アトレ吉祥寺で行なわれた会見で、「何かが生まれる街、吉祥寺。公園では100年という長い歴史の中で色んなものが生まれてきた。それを取り戻したい」「1年かけて全国公開していくつもりだが、1年間かけてまた井の頭公園に多くの人が来るようになれば。それが街の活性化に繋がり、吉祥寺だけでなく三鷹にもおよぶと良いと思っています」と映画にかける想いを明かした。
また今朝から撮影初日を迎えたという瀬田監督は「井の頭公園に今まで来たことがある人も、興味がなかった人も新たな魅力を発見できるような作品になり、今後100年、それ以降も続いて残っていくような映画になるといいなと思っています」と意気込みを話した。
映画で重要な役割を果たすという音楽の監修を担当するトクマルは、映画に1960年代の井の頭公園が登場するため、当時の若者の間で流行していた音楽をリサーチしたことを明かし、「子どもの頃からよく来ていた井の頭公園と、自分のやっている音楽がどうリンクするか楽しみ」とコメント。
なお同作の製作に伴い、2017年春の公開に向けてフリーペーパー『PARKS』を発行。映画の背景などにフォーカスした内容となり、『ヤングマガジン サード』で『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』を連載中のマキヒロチが、吉祥寺の魅力を描く作品の連載も始まる予定だ。発行場所などについてはオフィシャルサイトをチェックしよう。